【政治解説】石破氏 vs 若手?“ポスト岸田”の行方は… 岸田首相“続投”を支持する声も 2024年7月最新世論調査解説
若手筆頭の小泉進次郎氏に動き
【菅原】 “ポスト岸田”の世論調査で2位の小泉進次郎氏はどうですか。相変わらず、父の純一郎氏は「早い」と言っているとも聞きますが。 【竹内】 今回、数字には表れない部分ですが、最も変化があったのは、小泉氏だと思います。取材していると、小泉氏に「総裁選に出た方がいいよ」と促している人がかなりいるようなんです。例えば、森元首相もそのひとりのようです。また、小泉氏本人も「決して出る気がない、というわけではない」という情報もあります。 【菅原】 私も「小泉氏は総裁選に向けて政策の準備を始めた」という話を聞きました。“若者の暮らしが良くなるような政策”を考えているようです。 【竹内】 やはり、「誰かに支持をお願いした」とか、「政策を考え始めた」というと、具体的になってきた感じがしますね。
ベテランからも期待される小林鷹之氏
【菅原】 小泉氏の他にも、若手の議員からは「小林鷹之氏を応援しよう」という声がかなり上がっていますね。 【竹内】 注目されていますよね。これは必ずしも若手議員だけではなく、ベテラン議員のなかにも小林氏の能力を評価して、支持・応援すると表明している人もいます。あるベテラン議員は、「推薦人20人、30人なんてすぐ集まる」と豪語してます。別の自民党幹部も、「小林(氏)に任せておけば、政策などもちゃんとまとまる。上の世代からの信頼も厚い」と、べた褒めです。やはり、能力が評価されているのに加えて、当選4回でまだ40代ですから、小林氏の“若さ”は武器です。自民党の重鎮も「刷新感が大切だ」と話していますので、それに合致する候補という感じがします。
「“若い人であればいい”、“新しい顔を選べばいい”は間違っている」
【菅原】 自民党の若手議員の中に「石破さんと若手の小泉さんなり小林さんが戦って、若手が勝つという流れだと、より刷新感が出ていいんじゃないか」というようなことを言う人が、結構いますよね。 【竹内】 自民党の幹事長経験者のひとりは「小泉氏や小林氏のような“新しい風”が吹くというのが望ましいし、そういう“新しい風”に立ち向かって、打ち勝つというのはなかなか難しいだろう」という見方を示しています。ただ、やはり、「若いからいい」ということではないですよね。本質はそこではないと思います。ある自民党関係者は「若い人を選べばいい、新しい顔を選べばいいみたいな考えは間違ってる」と言っていたのですが、私はこの言葉には耳を傾ける価値があると思います。 2012年に自民党が政権に復帰して以来、最も激しい逆風が吹いているのは、自民党へ不信が大きいからだと思います。統一教会の問題は、「特定の団体に影響を受けているのではないか」。パーティー券の売り上げの裏金化は、「政治とカネについて不透明なのではないか」。こうした疑念を払拭する姿勢や対策を示せていないからこそ低迷が続いているのではないでしょうか。 今回の調査では「支持する政党がない」という回答が54%にものぼりました。この数字を甘く見てしまうと、自民党は政権を失ってしまう可能性すらあると思います。今回の総裁選挙では“顔を選ぶ、表紙を変える”だけではなく、中身についても徹底的に議論をして、新たな打ち出しをしてほしいと思います。 (日本テレビ 政治部デスク:竹内真 解説委員:菅原薫) ■NNN・読売新聞世論調査 7月19日から21日全国有権者に電話調査 固定電話 420人 回答率57% 携帯電話 611人 回答率35% 合計1031人が回答