【政治解説】石破氏 vs 若手?“ポスト岸田”の行方は… 岸田首相“続投”を支持する声も 2024年7月最新世論調査解説
投票率の高い年代で人気の石破氏 しかし、克服できない“課題”が…
【菅原】 ただ、 投票率を考えると、“年代が高い層に人気がある”ことは、石破氏にとって有利なポイントである可能性はありますよね。 【竹内】 そうですね。自民党の党員も、若い人よりも年齢が高い人の方が投票率は高いですし、有利に働くのではないかということは十分考えられます。ただ、“石破氏自身”というのが、難しい一面を持っている。本人がまず「立候補をするかどうかをまだ決めきっていない」ですし、そもそも厳しい現実というか、課題も残されてるんです。 【菅原】 “国会議員票”ですか。 【竹内】 そうです。これはずっと以前から話になっていますが、石破氏は知名度が高いですし、「次の首相にふさわしいのは誰か」という調査の際には必ず名前が挙がる政治家ではあるわけなんですが、同時に、「国会議員に支持が広がらないのが課題」と言われ続けてきたわけです。実際に、かつて石破氏陣営の中心にいた議員も「石破さんはいつも人気先行で、議員に支持を広げる戦略が皆無」と冷ややかな見方をしていました。 【菅原】 ずっと以前から言われていることですよね。なぜ改善しないのでしょう。 【竹内】 本当に不思議ですよね。やはり、石破氏自身のスタンスとして、国会議員と政策の話をしたりするのは良いけれど、お酒を飲みながらポストの話をしたりですとか、そういう方法で支持を広げることが「好きではない」ということが原因と言われています。端的に言うと、「人付き合いが良くない」ということですね。 【菅原】 政治家なのに…
【竹内】 そうなんです。少し昔を振り返ってみても、2012年の総裁選、安倍元首相と決選投票になったときには、今の浜田国対委員長や梶山幹事長代行らが陣営に入って支持しました。ところが、2018年の総裁選では離れてしまいました。石破派という派閥も一時期はできましたが、熱心に応援をしていた伊藤元金融担当相や、田村元厚生労働相も離れてしまい、今はグループというカタチで弱まっています。中核メンバーですら離れてしまうというのは、石破氏が抱える問題が解決できていない表れとみることもできます。 【菅原】 そもそも、石破氏のもとには総裁選の立候補に必要な推薦人が20人集まらないと見ている人もいますよね。竹内さんはどうみていますか? 【竹内】 私個人の見立てで言うと、本当に石破氏が「(総裁選に)出る」となれば、最終的には20人は集まるのではないかと思います。やはり、石破氏には高い知名度があり、“次の総裁・総理の筆頭”と目されているので、「石破茂が必要だ」と話す自民党の国会議員もいますので。ただ、総裁選で勝てるかというと、少し難しいという見方も多いです。というのも、先ほどから出ている「人付き合いの悪さ」が変わっていないという指摘は多いからです。閣僚経験者も「石破さんはなかなか変わらないだろう」と話し、厳しい見方を示していました。石破氏は良くも悪くも変わらない、といったところです。