12年ぶり開幕3連敗…横浜DeNA三浦監督の誤算と懺悔…「勝ちにつなげられないのは監督」
横浜DeNA対ヤクルトの1回戦が30日、横浜スタジアムで行われ、横浜DeNAが4-5で逆転負けを喫した。勝ちパターンに持ち込みながら“8回の男”の石田健大(28)がつかまり、緊急登板した山崎康晃(28)も流れを止めることができず3点差をひっくり返された。引き分けを挟んでの開幕3連敗は、大矢明彦監督が途中休養した2009年以来、12年ぶり。まだ新監督として白星を手にできていない三浦大輔監督(47)は「勝ちにつなげられないのは監督」と責任を感じていた。
“8回の男”石田が救援失敗
“番長”はマスク越しに怖い顔をしていた。 勝っても負けても必ず行う横浜DeNA恒例のテレビ中継用のフラッシュインタビュー。三浦監督は「悔しい」と2度言った。 誤算に次ぐ誤算…。本拠地ハマスタの開幕戦で、ほぼほぼ、つかみかけていた監督初勝利がスルリと逃げていった。そして何より「ヨコハマ・クラップ」と命名された新しい応援スタイルで、拍手を送り続けてくれた9992人のファンへ申し訳が立たない。新指揮官の悔しさが画面越しに伝わってきた。 7回までは4-1。“番長野球”の勝ちパターンに入っていた。 初回に先頭の桑原がヒットで出塁すると続く関根にはバントをさせずエンドランを仕掛けて成功した。宮崎のタイムリーなどで2点を先取すると、7回無死二塁から今度は手堅く関根にバントをさせて、ヤクルト守備陣の乱れを誘い貴重な追加点を奪っていた。 硬軟織り交ぜて三浦監督のタクトは冴えに冴えていた。 三浦監督は、迷うことなく左腕の“8回の男”石田をマウンドに送った。石田は先頭の山崎を四球で歩かせた。これが、試合後に三浦監督が、「慎重になり過ぎているのか…今日も四球からの失点。そこはポイントになっているのかなと」と嘆いた悲劇の序章だった。 二死を取ったが、若き“燕の4番”村上をまたフルカウントから歩かせた。ハーフスイングもあった微妙な勝負だったが、思わぬピンチに木塚投手コーチがマウンドに向かい一つ呼吸を置いた。だが、ソフトバンクからヤクルトに移籍してきた元横浜の職人、内川に甘いスライダーを痛打されて4-2と2点差にされた。我慢も限界の三浦監督はベンチを出て、本来は“7回の男”だった山崎にスイッチした。 石田は、28日の巨人戦でも四球が絡んで梶谷に同点タイムリーを許して“8回の男”の役割を果たせていない。三浦監督の決断は当然だろうが、開幕4戦目にして勝利方程式が崩壊するとは…考えもしなかった誤算である。