灘→MIT卒の教育起業家が考える「この子は伸びそう」と感じる生徒の「親」に共通すること
子どもが興味を持つきっかけは、さまざま
子どもが興味の対象を見つけられない場合はどうしたらよいですか? このことについては、わたしもよく触れていますが、2つポイントがあります。 1つは、刺激を多く受けることです。 興味は待っていても降ってきません。 英語に興味がない、という場合は英語を話せる自分がイメージできていないことが多いので、海外旅行に行って「英語が全然話せない。でも将来話せたらかっこいいな」とイメージしやすくします。 宇宙に興味がない、という場合は展望台に行って星を見て何かを感じるきっかけを作るなどしていくとよいでしょう。 2つめは、興味は内から湧き起こるけれど、最初はある程度外からの刺激も必要ということです。 例えば、たまたま算数のテストで100点を取って友だちや保護者からから「すごいね!」と褒められた算数が好きになった、ということも多々あります。 好きな先生が数学を教えていたから数学が好きになった、など中高生のときに経験した方も多いのではないでしょうか。 その教科のおもしろさ、というより良い点数を取ったらいつもより褒めてあげるとか、おもしろいことをしている人に会いに行くなど、外的なところから「やってみたい!」という気持ちを引き出してみてください。そういう風にやっていくとその教科に詳しくなっていくので、もっと興味が湧いてきます。 興味というと知的なことがきっかけとイメージする方もいらっしゃるかもしれません。しかし、最初の入り方はさまざまです。 読者の皆さんも、振り返ると「数学を学んでいてある日数学の美しさに惹かれた!」というより「テストで良い点数を取れたからちょっとやってみよう!」や「この先生面白い」というところから興味を持った経験の方が多いと思います。 興味の対象がそれぞれにあるように、興味のきっかけもいろいろあると思って見ていくとよいです。
余白を作ることが大切
子どもの将来の夢が変わったらどうしたらよいでしょうか? 子どもの将来の夢は、有って無いようなものだと認識しています。 皆さんも、過去の自分と照らし合わせれば、そんなに将来の夢について真面目じゃなかったな、と思いませんか? 将来これになりたい、と言ったからといって、人生〇年プランを作る必要はないし、将来の夢が変わったからといって、がっかりする必要もありません。 今一番興味が合っておもしろいと思っていることを言っている場合が大半なので、違う友だちができたり新しいことを学んだりしたら将来の夢が変わることはあります。 将来の夢が決まった! と言ったところで「中学や高校はこういう学校へ行かないといけない」と真剣に考えすぎない方が、進路の小回りもきくので良いと思いますし、将来の夢がないという場合でも、それが普通だと思った方が良いです。 習い事や課外活動はひとつのことに集中して高める方がよいでしょうか? わたし個人は、ひとつのものに集中する方が良いと考えています。ただ、もしやりたいことが複数ある場合は、それも良いと思います。 一番良いのは、ひとつとてもはまっているものがあって、ほかいくつかは自分がしたいと思っていて、すべてを楽しめている状態です。 逆に、「こうした方が良いから」という理由で、楽しめていないのにも関わらず複数に取り組むことは良くありません。どれにも力が入らず、なにより自分が楽しくない状態です。 習い事を3つやっているとして、2つは好きだけど、ひとつは「好きじゃないけど今までやってきたからもったいない」というくらいであれば、好きな2つに絞って時間を割いた方が良いと思います。 ひとつのことに集中するのが良い、という理由は、考える時間があるからです。 例えばサッカーが好きで習っているとします。サッカーの練習で自分の思う通りのプレイができなかったとき、ぼーっとしながら「あれはこうしたら良かったかな。次からこうしよう」と考えたいのに、サッカーが終わったら次は英会話に行って、明日は違う習い事に行って……となると、考える時間の余裕がありません。 改善点を考える時間があれば好きなサッカーがうまくなれたのに、時間がないからうまくならず、それと同じことが他の習い事でも起こります。 好きなことひとつに対して、余白をもって「あれはどうしたらよいのだろう?」とぼーっと考える時間がある方が結果的に課外活動がうまくいくし「なにか工夫するとうまくいくんだ」という経験を積むことができます。 余裕がなくなるほどいろんなことをするよりは、自分の好きなことに絞って余白を空けておく方がおすすめです。 これは学び方も同じで、好きな教科をとても深く勉強して、他の教科はそのあとに同じように勉強していく方法が良いと思っています。 各教科を最低限やりながらも、好きなひとつの教科を極めると、あとから全部が爆伸びする可能性がありますが、全教科をまんべんなくやるとなんとなく全部伸びる、で終わりです。 ひとつに集中して余白を持たせるということがわたしは大事だと思っています。