<プロ野球>あのトレードの結果は?5年間のトレードを振り返る
7月22日にヤクルト-ソフトバンク間でトレードが成立、ソフトバンクからは新垣、山中の2投手、ヤクルトからは日高投手と川島内野手が新天地に異動となった。NPBでは7月の末までトレードを行うことが可能で、新外国人の補強とともにシーズン中に行える戦力補強の手段となっている。今回は過去5年間のトレードを振り返り、その結果や球団ごとの傾向を検証してみたい。
■オリックス、DeNAは積極的に活用、消極的なチームは? まずは図1をご覧いただきたい。これは過去5年間(2010シーズン開幕以降)に成立したトレードの図である。トレードが成立したチーム同士を線で結び、件数の多いチーム間を太線で表している。オリックス、DeNA、そして西武、楽天が多くのトレードを成立させていることがお分かりいただけるかと思う。この中で最も特徴的なチームがオリックスだ。基本的にトレードは異なるリーグに所属するチーム間で成立することが多い。実際、過去5年間にセ・リーグ内で成立したトレードはわずか2件である。しかしオリックスは同じパ・リーグのチームとも数多くの取引を行っていて、ソフトバンクとは3件、ロッテ、西武とも2件のトレードを成立させている。この姿勢が大きな成果を生んだのが2013年シーズン前の大型トレードだ。オリックスは日本ハムに木佐貫、大引の主力選手と赤田を放出、その見返りとして球界を代表する外野手である糸井と八木を獲得したのだ。このトレードは結果的に大成功となった。2013年のシーズンは順位こそ5位だったものの、成績は前年から大きく向上、そして今シーズンはソフトバンクと激しく首位を争うほどにチームが強化された。糸井の獲得が長く低迷していたチームの潮目を変えたといえるのではないだろうか。 オリックス以外ではDeNAが多くのトレードを敢行しているが、オリックスとは違いセ・リーグとの取引はゼロ。投手同士の交換や、内野手の獲得が目立つもののチームを変えるほどの成功例は見られない。多村、吉川輝の再獲得、地元横浜高校の後藤、土屋を獲得するなど地元、縁故を重視する傾向がうかがえる。