<プロ野球>あのトレードの結果は?5年間のトレードを振り返る
逆にトレードに消極的なのが広島、中日、ロッテの3球団だ。広島はオフシーズンの動きがほとんどなく、シーズン中の穴埋め的な動きのみ。中日は件数が少ないうえに選手同士の交換ではなく金銭トレードが多い。この5年間での交換トレードはわずかに2件だ。ロッテは2011年シーズンまでは積極的に活用していたが、2011年オフ以降はわずかに1件、12球団一とも言われる外野の選手層を誇るだけにその活用を図ってもよいのではないだろうか。 ■最もトクしたチーム、損したチームは? 次に表1と2をご覧いただきたい。これはトレードで放出した選手、獲得した選手を移籍後の成績でランク分けしたものである。獲得した選手にAが多く、放出した選手にCが多いのが理想といえる。これを元に12球団のトレード成功度を5段階(A~E)で評価していきたい。 まずA評価を与えたいチームがオリックスと阪神である。オリックスは前述のように多くのトレードを敢行、Cランクの選手も目立つがなんといっても糸井の獲得が大きい。阪神は成立件数こそ少ないものの水田圭で新井良、若竹で今成を獲得した2件が秀逸。余剰戦力で効果的な補強を果たすという理想的な結果になっている。 次にB評価となるのが、日本ハムと巨人である。日本ハムは”血の入れ替え”的なトレードが多く、その最たる例が糸井のトレードだった。糸井、今成、江尻など移籍先で活躍した選手も多いが、獲得した選手も多くがそれなりの結果を残しており、目的は達しているといえるだろう。巨人はサブロー、高橋信など野手のビックネームの獲得も目立つが、成功例は香月、青木高、朝井と投手に偏る。一方、放出した選手に活躍は目立たず、東野、オビスポ、ロメロなど一時期活躍した選手の放出時期も適切だった。 C評価は4チーム。DeNAは日本ハム同様、選手の入れ替えが目立つが藤田、渡辺直の放出はいまの内野の選手層を考えると痛かった。とくに藤田と内村の交換は藤田の飛躍と内村の伸び悩みという最悪の結果になっている。江尻、長田など役にたった選手も多いが高評価はできない。ソフトバンクは投手の放出が目立つが三瀬以外の投手はほとんど活躍していない。