立憲・泉健太代表「今の時代、基礎票なんてないんです」 苦悩の野党第1党、転落から「上っている段階」
各種報道によれば、泉代表は現在難しい党運営を強いられている。「泉代表、党内から逆風 選挙方針ぶれ 求心力低下」(読売、6月27日)、「支持率低迷・公然と反旗・相次ぐ離党」(朝日、7月2日)、「立憲・泉氏、選挙協力で迷走」(毎日、7月15日)……。先の通常国会会期中、解散総選挙が取りざたされたが、次の衆院選に野党間、あるいは支持団体とどのような姿勢で臨むのか、泉氏の方針が見えなかったためだ。前回の衆院選で立憲民主党は、枝野前代表が共産党などと候補者を一本化したが、与党からは「立憲共産党」などと揶揄されて敗北を喫した。そのため、次期衆院選に際して、泉代表がどのような方針をとるのかが注目されてきた。
「安易に他に頼るなってこと。自分たちで獲得していかないと」
──先の国会中、解散はありませんでしたが、この秋にも、という可能性も指摘されています。その際、立憲民主党は野党間で候補者調整をするのか注目されています。どう考えていますか。 「選挙はその時の情勢で複雑怪奇。どうなるかわかりません。各野党とは(候補者調整の)可能性はあると思っています。ただ、それは相手があることなので、うちがすると言っても仕方ない話。『やりたい』という思いだけじゃなく、その模索はしなくちゃいけない」
──国民民主党の玉木雄一郎代表は、立憲が共産と組むなら国民は一緒に調整はしないという姿勢です。 「別に何も思わないです。それは玉木さんの考え方」 ──共産はどうでしょうか。調整をすれば各地の共産党の基礎票を取り付けることが可能ですが、前回はそのせいで負けました。 「それは政党として『正しい順序ですか?』と思うんです。やっぱり安易に他に頼るなってことです。先に基礎票から他党に頼ってしまうと、それだけ選挙に弱くなる。そう思っています。基礎票は他からもらうのではなく、自分たちで獲得していかないといけない」 ──もっともですが、それには長い時間がかかりそうです。では、連合との関係はどうでしょうか。連合の芳野友子会長も共産党と組むなら推薦を見合わせるという姿勢を示しています。 「連合との関係は全然悪くない。非常にいいです。協力も取り付けられていて、推薦も出ています。だから、関係性で困っているわけでもない。けれど、ご指摘のあったその『基礎票』の考え方は古いと私は思います」 ──どういうことでしょうか。 「正直言うと、いまの時代、基礎票なんてものはないんです。仮に連合の組合員さんが1万人、あるいは2万人いるからといって、それがそのまま票として出る時代じゃない。やはり一人ひとりの有権者に候補者が地域で訴えて、賛同、信頼を得られるようにしていかないと小選挙区は勝てないんです」 ──問題はその信頼をどう得ていくかです。具体的にはどうつくっていこうとお考えでしょうか。 「立憲民主党の政策を訴えていくしかない。それは街頭演説だけではない。SNSもあれば、集会もあれば、いろんな会合を回ることもある。あらゆる政治活動です。私自身、すべてやっています。それをやっていかなければ絶対勝てません」