友だちの輪に入れない息子…子育ての不安を抱えるママに捧げる”お月見”レモンスカッシュ
「月はいつもまるく、空と共にある」
みさきだけではない。親はみんな、つねに先回りして子どもの心配をしてしまう。 公園に行けば、ほかのお友だちと仲良く遊べるだろうか。お友だちにケガをさせないようにも、させられないようにもしないと。 おもちゃを貸してあげられるだろうか。ブランコや滑り台の順番を守れるだろうか。誰かに砂をかけたりしたらどうしよう。 心配ばかりで、おちおちと休んでいられない。 遊びに夢中になり始めた子どもに、ついブレーキをかけてしまうこともあるだろう。 子どもが活発で積極的な子でも、ゆうのようにマイペースでひとり遊びが好きな子でも、親はいつだって、はらはらしながら見ている。 「親」という字が示すよう「木の上から(手出しせずに)見守るくらいでいい」などと言われても、達観などできそうにもない。 それでもみゆきは、喫茶星屑で「満ち欠けで形が変わっても、雲にかくれて見えないこともあっても、月はいつもまるく、空と共にある」ことを学んだ。 だからゆうのことも、もうおたおたせずに、この先つらいことがあったなら、その想いごと包んであげようと決めたのだった。 ◇「傷つくこともあるかもしれない。さびしい思いをすることもあるかもしれない。でも私はいつでもこの子とその想いを包んであげるんだ」 そんな言葉が言えるようになったみさきは、前より母として少し強くなったのだろうか。 それとも、子どもは、ママと一緒にいられるだけで幸せだということに、気づいたのだろうか。 第4話「『がんばりも想いも伝わらない…』泣き言をこぼしたくなる日のシンママに 『メダルクッキー 』」は、忙しすぎるシングルマザーと、ママとやりたいことがたくさんある娘が仲たがいしてしまった日の出来事をお伝えする。
まつざき しおり、FRaU マンガ部