クマ駆除めぐる悪質クレームに秋田県知事「おまえのところに送る」発言…身内から出た意外な反応
「もし私に電話が来たら完全に相手を威嚇し、『おまえのところにクマを送るから、住所を送れ』と言う。話して分からない人にはあまりお付き合いする必要はない」 【写真】ウクライナで保護されたクマがスコットランドの動物園で飼育されることに 秋田県の佐竹敬久知事は17日の県議会予算特別委員会で、「クマの駆除」に対する悪質なクレーム電話について、こう対処すると言い放った。 報道陣から発言の意図を問われた知事は、「本当に送ることはできないが、そのくらい言わないといけないほどひどいものがある。私が強い態度を取らないと職員もできない。あえて強い表現を用いた」と説明した。 知事の発言が報じられると、県には18日昼までに26件の意見が寄せられた。「よく言ってくれた」と発言を支持する「賛成」が18件、「反対」は6件だった。 <クマは山に放してもまた戻ってくる習性があることから、駆除しないといけない><職員に対する毅然とした態度を示してくれた><まさにその通り><よく言ってくれた>といった意見だったという。 「我々職員も知事と同じ考えです。話を聞いても何回も同じ意見を繰り返すので、業務に支障をきたしています。説明を尽くし、ご理解を得られなければ電話を切ることもあります。知事が職員の対応を代弁してくれたと理解しています」(県広報広聴課担当者)
駆除のたびに抗議電話が殺到
先月30日、秋田市のスーパーで、クマが従業員を襲って店内に侵入。市は今月2日、箱わなで捕獲したクマを麻酔で眠らせ、電気ショックで駆除した。県自然保護課には56件の電話があり、うち24件が「駆除反対」で、そのほとんどが県外からのクレームだった。 抗議内容は<殺さないで><かわいそう><捕まえても山に放して>というもの。県としては一貫して「従来より放獣していない」という方針を伝えているが、「こうしろ」と自分の主張を一方的に押し付けようとするケースも多く、通話が30分以上に及び、電話を切らざるを得なかった事例が数件あった。こうした苦情電話は、クマの駆除が報じられるたびに県や市町村に相次ぎ寄せられているというから、職員もさすがにうんざりしていたのだろう。 もっとも今回のような市街地やスーパーでは、猟銃の使用や発砲は難しい。この点について知事は「ドローンから落とした爆発物をクマに食べさせ、リモコンで腹の中で破裂させるとか、クマ用のウエポン(武器)の開発も考える必要がある」と持論を展開したが、話が飛躍し過ぎだろう。 「爆発物となると、猟銃とか火薬を使うものでも取り扱いが厳しいことから、ちょっとイメージを膨らませ過ぎたのではないか。有害鳥獣を捕獲する場合は、既存の猟具を使うのが一般的です」(県関係者) 佐竹知事といえば昨年10月、愛媛県を訪問した際に食べた地元の名産品を「メインディッシュがいいステーキだと思って開けたら、じゃこ天です。貧乏くさい」とくさし、全国から批判が殺到した。ひと言余計なのは相変わらずだ。