すがちゃん最高No.1「ずっと家族のことが恥ずかしかった」でも自分だけが特殊じゃないと気がついて。家族は大なり小なり「変」と考える理由
家族は大なり小なり「変」。楽しく笑い飛ばせればいい
――今となっては破天荒なお父様のことも、キャラ濃いめの家族のことも好きになれていますか? 【すがちゃん】:いや、それはないです(笑)。俺はこの本で、家族を美化したいわけじゃないです。おもしろおかしく生きればいいんだってことを言いたいだけなので。この家族でよかったとは思っていないですよ。そりゃフツーがよかったです。もちろん個人個人には感謝はあるんですよ。親父にも。でも、家族という和になったときには最悪でしたから。 ――唯一真面目だった叔母さんのかっちゃんは。 【すがちゃん】:かっちゃんは自己犠牲をして人に尽くし、まっすぐで生徒会長みたいな人でした。でも生徒会長なんで、悪いことは全部ダメだし、食べるものは無農薬のものしかダメだし、添加物は悪、みたいな。価値観の押しつけもあったし、相手がひどいことをするとかなり怒ることもあったので。国民が全員かっちゃんみたいだったら平和なのかもしれませんが、だれかが変なことをすると、一気に和があやしくなるから。 やっぱり家族は、「こうじゃなきゃいけない」とか「こうやりなさい」じゃなくて、いいかげんでも変でも、笑い飛ばせるほうがいいな、とは思いますね。
すべてが幸せな家族もなかなかいない
――考えてみれば「まったく普通」「曇りのないほど明るい」家族なんてなかなかないですよね。読者のみなさんもご自身の家族について、人に言えない秘密があったり、人知れず苦しんだり悩んだりしている方がいるのではないかと思います。 【すがちゃん】:そうですね、僕も東京に来るまでは自分だけが特殊すぎるって思っていて…。たしかに特殊ではあるけれど、本当にすべてが幸せな家族ってなかなかないと思うんですよ。大なり小なり不幸はあるけれど、常に明日自分が笑えるような生き方をしてほしいなって思います。僕もそうやってきましたから。 芸人は自分の家庭や自分のこと、しょうもないこともネタにして笑かす。そうやって居場所を作ってきたというのもあります。みなさんも上手に笑い飛ばして、明るく生活できるといいですね。 ■著書もチェック 『中1、一人暮らし、意外とバレない』(ワニブックス)1450円+税 ■お話を伺ったのは すがちゃん最高No.1(ぱーてぃーちゃん) 1991年8月21日生まれ。山形県山形市出身。お笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」のツッコミ担当。信子と金子きょんちぃとチャラ男(すがちゃん)のパリピ漫才が人気。『中1、一人暮らし、意外とバレない』(ワニブックス)を出版。 じいちゃん、ばあちゃん、叔母さんのかっちゃん、時々帰ってくる破天荒で明るい親父、そしてすがちゃんの5人家族。それが一人ずついなくなり、中1から一人暮らしするすがちゃんの物語。壮絶な家族関係がやがてすがちゃんの「わらかし」に結びついていく、楽しくて読みやすくて感動する実話です。
取材・文/三輪泉