「導入美容液」とは何なのか。つける順番は?美容液とは違う?その効能や使い方を聞いてみました!【プロがおすすめする導入美容液】
ミドル世代にとってスキンケアでは、効果はもちろん、日々のルーティンとして気持ちよさもしっかり感じたいものです。そのニーズに応えてか、今年は導入美容液(先行美容液、またはブースターとも言われます)が目立っています。とはいえ、「導入美容液」ってよくわからないことだらけ。いつものスキンケアにやっぱりプラスしたほうがいいの? どんな製品を選べばいい? など、40代が感じる疑問を専門家に伺ってみました。 【写真】スキンケアの効果をよくするって本当?美容のプロが太鼓判を押す導入美容液!
お話を聞いたのは……
ビューティサイエンティスト 岡部美代治さん 山口大学文理学部理学科生物学を卒業後、コーセー研究所での基礎研究などを経てアルビオンにて商品開発やマーケティングの第一線で活躍。革新的なアイデアで数々のヒット商品を世に送り出す。2008年に独立後は、美容と化粧品の豊富な知識と経験を背景に、美容コンサルタントとして幅広く活躍中。化粧品の科学と感性を融合させた独自の視点が多くの支持を集めている。
ブースターに関する素朴な疑問をぶつけてみました!
――導入美容液って、馴染みがなくてよくわかりません。化粧水のあとにつける美容液とは違うのですか。 岡部:導入美容液は「先行美容液」や「ブースター」とも呼ばれるとおり、それをつけたあとに使うスキンケアの浸透を高め、効果を底上げするものです。成分の浸透を促進するだけでなく、自らが保湿や栄養補給、肌のコンディションを整える役割も担っています。スキンケアの「ウォーミングアップ」みたいなものですね。 ――ずばり、導入美容液は使ったほうがいいのでしょうか。 岡部:導入美容液は、現在のスキンケアを最大限に引き出す「スキンケアの食前酒」ともいえる存在です。年齢を重ねると肌の代謝が緩やかになり、角層の状態が硬くなりがち。保湿成分や美容成分が浸透しづらくなる傾向があります。日々忙しい中でも、ブースターを加えることで肌の調子が整いやすくなり、少ない手間で効率的なケアが可能になりますね。 また、従来のケアにプラスするだけで肌へのアプローチを一段と高められるから、毎日のスキンケアに新たな楽しみや期待感をもたらすのも良いところ。単なる贅沢品ではなく、今のスキンケアを「最も美味しい状態」で味わうための、効率的で実用的な選択肢だと思います。 ――導入美容液を使えば、ローションのあとの美容液は省いてもいいのでしょうか。 岡部:ローションのあとに使う「美容液」は 保湿、美白、ハリや弾力の改善など、特定の悩みにアプローチする高濃度の有効成分を含むアイテムなのでブースターとは役割が異なります。導入美容液で整えた肌に特定の悩みに応じた美容液を追加することで、スキンケアの効果を最大化できるので省略はしないほうが良いですね。 ――最近色々な製品が出ていますが、導入美容液を複数つける意味はありますか。また、導入美容液の形状もローションやジェル、オイルなど様々ですが何が良いのでしょうか。 岡部:昨今は導入効果とともに美容液効果のある成分が入っているものも多いのですが、あくまで目的は、次に使うスキンケアの成分を肌に浸透させることなので、複数重ねたり多めの量をつけてもあまり意味はないです。 また、ローションやオイルなど様々なテクスチャーのものが出ていますが、どの形状でも大丈夫です。自分が使っているスキンケアラインと同じラインの導入美容液があれば、(メーカーはそのスキンケアラインを想定して作っているので)一番合うはずですが、そうでなくても、自分が信頼しているブランド、メーカーのものを使っていただいてかまいません。 ――ブースターを化粧水前に使うのを忘れたとき、あとで追加しても同じ効能になりますか。 岡部:ブースターは化粧水前につける前提で処方されているため導入効果は弱まってしまいます。 同じ「美容液」という名前がついていても、導入美容液と通常の美容液とは役割が異なるのですね。でもあまり難しく考える必要なく、よりスキンケア効果をアップするためのお役立ちアイテムだということがわかりました。次ページでは定番人気の導入美容液および最新の導入美容液をご紹介します。
中田 ゆき