ナダル、現役生活に終止符「テニスをすることに疲れたわけではなく体がもう…」。フェデラーら盟友も惜別メッセージ【テニス】
グランドスラム22勝のナダルが現役生活に幕
男子国別対抗戦「デビスカップ ファイナルズ ファイナル8」(スペイン・マラガ)が11月19日に開幕し、準々決勝でスペインはオランダに1勝2敗で敗戦。今大会での現役引退を発表しているナダルは、試合後のセレモニーで「体がもうテニスをしたくないと言っている」と涙を流した。 【動画】”ラファ”コールにナダルも涙…引退セレモニー 10月に自身のSNSを通じて正式に今季限りでの現役引退を発表した38歳のナダル。最後の大会に選んだのは、母国スペインで開催されることとなった国別対抗戦デビスカップだった。 ナダルは第1試合のシングルスに登場し、ボティック・ファン・デ・ザンツフルプ(オランダ/同80位)に4-6,4-6のストレートで敗戦。シングルス第2試合でカルロス・アルカラス(同3位)が、タロン・フリークスポール(オランダ/同40位)に7-6(0),6-3で勝利したものの、第3試合のダブルスでアルカラス/マルセル・グラノイェルスがウェズレイ・クールホフ/ファン・デ・ザンツフルプのオランダペアに6-7(4),6-7(3)で敗れたため、スペインは準々決勝敗退。引退を表明していたナダルにとってこの日の試合が現役最後の試合となった。 試合後に行われたセレモニーでナダルは、プロ生活の支えとなったファンに「次のポイントを取るサポートをしてくれ、悪い時には戦い続けるように背中を押してくれた」と述べ、最後の対戦相手となったオランダチームや自チームのメンバーにも感謝の言葉をつづけた。それでも、「テニスをすることに疲れたわけではないけれど、体がもうテニスをしたくないと言っている」と引退を決意させた理由を口にし、「この状況を受け入れるしかない」とした。 セレモニーで涙を流すナダル。スポーツ界で親交のあったデビッド・ベッカム(サッカー)やアンドレス・イニエスタ(サッカー)、セルヒオ・ガルシア(ゴルフ)らとともに、“BIG4”として男子テニス界をけん引してきたロジャー・フェデラーやアンディ・マレー、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)からのビデオメッセージが贈られた。 史上最多60度の対戦をしたジョコビッチは、「あなたの粘り強さ、ファイティングスピリット、コートにもたらしたエネルギー、パワーはこれから生まれてくる多くの世代に伝わっていくことだろう。あなたのライバルと呼ばれることをとても光栄に思い、感激しているよ。テニス界、そしてスポーツ界は、あなたがテニスにもたらした素晴らしいエネルギーを心から惜しむでしょう。 あなたの功績を祝福し、大切にすることがたくさんある」とコメント。 一昨年のレーバーカップで引退したフェデラーは、「信じられないような素晴らしいキャリアを祝福したい。君とプレーできたことはもちろん、特に君と対戦できたことはとても光栄なことだった。君との思い出で特に好きなのは、君にやられた2008年のウィンブルドン決勝だ。君の素晴らしい家族とともに、これからの人生が最高のものになりますように」と述べ、4時間48分の激闘の末にナダルが初優勝した試合を思い出の1試合に。 今夏のパリ五輪でキャリアを終えたマレーは、「君のプレーに込められた情熱と激しさは、すべてのテニスプレーヤーが憧れるものであり、すべてのテニスファンが記憶にとどめるものだと思う。君のプレーを見るのは本当に素晴らしかった。これまでありがとう。引退生活を楽しんで」とナダルのキャリアを称えた。 ツアー通算92勝(うちグランドスラム優勝回数は22度は歴代2位)を挙げ、全仏オープン史上最多14度の優勝などクレーコートでのマッチ勝率は9割超。数々の偉業をつくり、試合中は闘志をむき出しに勝利を疑うことなくコートを駆けたレジェンドが、また一人コートを去る。
Tennis Classic 編集部