なぜ”名将”モウリーニョ氏はローマ監督に電撃就任したのか…英紙が明かす「伊サッカー界にショックを与えた」仰天人事の真相は?
「モウリーニョを心から求めていた」というピントGMが招聘を先導した裏事情を説明し、「欧州リーグの準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに衝撃の2-6の大敗を喫した悲惨な状況の中で、このニュースは、ローマのクラブと街にとっては大きな後押しとなる。確かに何か大きな出来事が(ローマには)必要とされていたが、誰もこのこと(モウリーニョの就任)は考えていなかった」とも伝えた。 その上で「長い目で見れば、モウリーニョが、ファビオ・カペッロが2001年6月17日にローマへスクデットを取り戻した偉業の再現を目論むことに疑いはない。そのために彼はクラブの多大な助けを必要とするだろう。監督は1人でそれを達成することはできない。ローマは、彼のカリスマ性とチームの次なるステップに見合う監督を求め、モウリーニョはガタガタしている監督のキャリアを再スタートさせるクラブを必要としていた。両者が完璧にフィットするかどうかは時が経てば分かるだろう」と、期待と疑念を交えて記事を締めくくっている。 欧州をカバーするス「スカイスポーツ」は、モウリーニョ氏のローマ監督就任を「これはローマの新しい米国人オーナーのフリードキン・ファミリーからの真剣な意思表示だ。彼らが昨年8月にチームを引き受けて以来、モウリーニョは彼らが任命する初めての監督となる」と分析。「モウリーニョの就任はファン、選手、チーム幹部、そしてジャーナリスト全員、イタリアのサッカー界全体に不意打ちを食らわせ大きなショックを与えた」と伝えた。 「ローマが抱えていた(戦術)スタイルに関する懸念についてはモウリーニョの就任でガラっと変わるだろう。フリードキン一家にとってローマに昔の栄光を本当に取り戻すプロジェクトを開始するための移籍市場において、モウリーニョは必要不可欠だった」と評価する一方で否定的な見解も報じた。 「彼がサッカー界で最高の監督の1人であることに疑いはないが、一部の人々が持つ疑問は、彼が『昨日の男』なのかどうかということだ。彼は、すでにユルゲン・クロップやペップ・グラウディオラのような新しいタイプの監督たちに追い越されてしまったのではないか。もし彼が、眠れる巨人のローマ監督で成功すれば、彼に対するすべての批判に答えることができるだろう」 20年間、優勝から遠ざかっているローマの事情やトッテナムを解雇される憂き目にあってきたモウリーニョ氏の近況を重ね合わせ、「とても難しいタスクではあるが、もし彼がローマでタイトルを勝ち取れば彼のキャリアで最も大きな達成の1つとなるだろう」と記した。
欧州の数多くの強豪クラブで素晴らしい実績を残してきたモウリーニョ氏は、セリエAではインテルを率いていた2009-2010年シーズンにイタリア初となるセリエA、コッパ・イタリア、UEFAチャンピオンズリーグの3冠を達成している。モウリーニョ氏はクラブのHPを通じて「素晴らしいクラブの監督に私を選んでいただき、彼らのビジョンに私を参加させてくれた(オーナーの)フリードキン・ファミリーに感謝します。ローマのファンの皆様の素晴らしい情熱に後押しされて私はこの仕事を引き受けました」とのコメントを発表している。