反対の声殺到でどうなる?!欧州スーパーリーグ構想
世界のサッカー界が激震に見舞われた。ラ・リーガ1部のレアル・マドリードやプレミアリーグのリバプールなど、ヨーロッパを代表する12のビッグクラブが日本時間19日未明に、20チームで争われる「ヨーロッパスーパーリーグ(ESL)」の創設で合意したと発表したからだ。 唐突な共同声明に対して欧州サッカー連盟(UEFA)や12クラブが所属する各リーグ機構および各国協会、さらには国際サッカー連盟(FIFA)が真っ向から反対する声明を発表。ESLに参戦するクラブが各国内、ヨーロッパ、世界レベルで行われるすべての大会から除外されるだけでなく、所属選手が各国代表チームにおける出場機会をも失う可能性があるとまでUEFAは警告している。 共同声明によれば、ESL創設クラブに名前を連ねたのは、ラ・リーガ1部勢がバルセロナとアトレティコ・マドリードを加えた3クラブ、プレミアリーグ勢がマンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、アーセナル、チェルシー、トッテナム・ホットスパーを加えた6クラブ、そしてセリエA勢がユベントス、ACミラン、インテルの3クラブとなっている。 さらに参加が見込まれている3クラブを合わせた15クラブが固定化され、前シーズンの成績に応じて5クラブが入れ替わる形で参加。ESLの発足は今年8月の予定だが、スタート時期に関しては現時点で未定で、声明は「できるだけ早い時期に開幕させたい」と言及するにとどめている。 構想ではESLは毎年8月に開幕し、まずは10クラブずつに分かれたグループリーグに臨む。両グループの上位3位までと、4位および5位によるプレーオフを勝ち抜いた2クラブを合わせた合計8クラブが、ホーム&アウェイ方式で争われる決勝トーナメントへ進出。準決勝を勝ち上がった2つのクラブが、5月末に中立地による一発勝負で行われる決勝戦で雌雄を決する。 ESLを戦う20クラブは各国のリーグ戦にも引き続き参加するため、ESLは原則として水曜日を中心とした平日に行われる。グループリーグの形態こそ異なるものの、UEFAチャンピオンズリーグと大会形式が似ているのは、ESL構想自体がUEFAによる独善的なチャンピオンズリーグ運営に不満を抱いてきたビッグクラブとの間で、10年以上も前から話し合われてきた点に起因している。 ESLの旗揚げへ向けて主導者的な役割を果たしてきたレアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長は、ESLを運営する組織の初代会長に就任。共同声明のなかでこんな言葉を綴っている。 「サッカーは40億人以上のファンを抱える、ただひとつのグローバルなスポーツであり、私たちのようなビッグクラブには、サッカーを愛するファンが求めるものに応じる責務がある」 ならば、なぜこの段階での共同声明発表に至ったのか。