なぜ“名将“モウリーニョ監督は電撃解任されたのか…英メディアは「トップレベルの監督地位は消えつつある」と辛辣評価
プレミアリーグのトッテナムは19日、ジョゼ・モウリーニョ監督(58)の電撃解任をクラブの公式サイトでダニエル・レビー会長のコメントを添えて正式に発表した。モウリーニョは2019年11月にマウリシオ・ポチェッティーノ氏の後を受けて監督就任し、昨季はヨーロッパリーグの出場権が与えられる6位で、2シーズン目となる今季も序盤に一時首位に立つなどしたが、その後失速し、32試合を終えて14勝10敗8分けの勝ち点「50」で7位に低迷、ヨーロッパリーグもベスト16で敗退していた。それでも国内のカラバオカップは決勝まで勝ち残っていて、現地時間25日には、そのマンチェスター・シティ戦を控えていたが、クラブは直前で異例の電撃解任に踏み切った。モウリーニョは2023年までの契約が残っていた。モウリーニョは過去にポルト、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、インテル・ミラノ、レアル・マドリードなどのクラブを率いてすべてのリーグ戦、国内カップ戦、UEFAチャンピオンズリーグで優勝を果たした名将で、UEFA(欧州サッカー連盟)が選ぶ年間最優秀監督に4度選ばれている。 なぜモウリーニョは解任されたのか。そして海外メディアの今回の電撃解任に対する見解、モウリーニョへの評価はどうなのか。解任理由としては、チームの成績不振に対する責任論と共にトッテナムが欧州スーパーリーグへの参加を表明したことにモウリーニョが反対したことなどが噂されているが、欧州をカバーしているメディアのスカイスポーツ、英BBCスポーツは、「解任の決断はチーム成績によるものでトッテナムの欧州スーパーリーグの参戦発表とは関係ない」との見方を報じている。 英ガーディアン紙は辛辣にモウリーニョを批判。「トッテナムが陰気で独善的なモウリーニョを過去に追いやった」との強烈な見出しを取って解任を支持した。 「すべて彼自身がこれ(解任)をもたらしてしまったということだ。モウリーニョが、この数カ月でやってきた、見込みあるシーズン序盤から、警告、無気力、悲惨な結果へとつながっていった多くの出来事の1つのようなものだ」 さらに「トッテナムでのモウリーニョの時間を明確にするのであれば、苦々しい表情と悪くなるサッカー、信じることを止めてしまったチーム、自分しか信じない監督といった不愉快さが大量に詰まった最後のひどい数カ月となるだろう」と批判した。 モウリーニョの採用した戦術についても非難した。 「確かにモウリーニョの採用した深く引きポゼッションを少なくする戦術は、昨季の厳しい故障危機にチームが見舞われた間、大試合で強豪チームを相手にした時にはチームを支えていた」と評価する一方で、「クリスタルパレスやウルブスといった中位チームを相手にプレッシャーを受ける戦い方は、トッテナムの最近の流儀に単純に逆らうものだった。攻撃面で豊富なタレントをチームに抱えているのに、自滅的で、ほぼ馬鹿げたアプローチの取り方だった」と名将を“ケチョンケチョン“に切り捨てた。