壮絶覚悟!名門帝拳が誇る“エリート”岩田翔吉は進退をかけて挑む2度目の世界戦でベルトを巻けるのか…「負けて次頑張りますとは言えない。甘い世界じゃない」
加えて今回の2DAYS・7大世界戦に世界王者として出場する同じ1995年生まれのライバル達への思いもある。同日にメインで防衛戦を行うWBA世界バンタム級王者の井上拓真(大橋)や2日目に登場するWBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成(畑中)には高校時代に勝ったこともある。今回スパーリングで何度も拳を交えて同日にリングに上がるWBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)も同級生。だが、早大に進学してプロ入りが遅れた岩田は、1度目の世界戦でて負けて、ずいぶん彼らの後塵を拝することになった。 「同じ年の選手が刺激になっている。励みにもなっているが、それぞれの人生、自分には自分の人生があってペースがある。必ず同じ世界チャンピオンになれるように頑張りたい」 それも岩田のメンタルを支えているもののひとつ。 対戦相手のハイロ・ノリエガ(スペイン)は、31歳で14戦(3KO)無敗のオーソドックススタイルのボクサーファイター。KO率は高くはなく、パンチはないが、右も左も手が止まらぬ好戦的なスタイルで、ポイントアウトも打撃戦もできる。打ち合いになれば、粟生トレーナーが「硬くてキレがある。スーパーフライ級でも通用する」と絶賛する岩田のハードパンチが生きてくるが、出入りのボクシングを徹底されれば、空回りする危険性もある。 「スピード、運動量があって、ボディワーク、出入りもある。自分のパンチが空振りさせられて、ポイントを取られるという彼がやりたいボクシングをさせないようにしたい。相手が何をしてこようと冷静に自分のやるべきことを遂行したい」 そして試合展開も具体的にイメージした。 「浜田さんと冗談交じりに話をした。ダウンを取れば、2ポイントこっちにくる。自分の一番の理想は、そういうポイントの取り方。打ち込み過ぎず、フェイントや角度を意識してパンチを当て、出入りで、逆に空振りさせて、ポイントを取ることを意識している。倒しにいく場面は、今まで以上に組み立てていく」 相手が王者だと厄介だが、立場は五分の王座決定戦。ある程度ノリエガは出てくると予想される。パワーでは岩田が上。世界奪取のチャンスは十分にある。基本の左ジャブ、そして武器にしているボディブローがポイントになるだろう。 岩田は、子供の頃、総合格闘家の故・山本“KID”徳郁氏のジムへ通い、格闘家の門を叩いた。6年前に帰らぬ人となったKID氏の命日は9月18日。7回忌の法要には参加できなかったが、試合後に墓前へ勝利を報告したいという。 “神の子”に教えられたのは「戦いを楽しむ」ということ。その気持ちは、背水の覚悟でリングに立つ岩田だからこそ必要な部分。 10・13、有明アリーナ。名門帝拳が満を持して送り出すエリートが2日間にわたって行われる日本ボクシング史に残る7大世界戦の先陣を切る。
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