汗水垂らした苦労を観客は感じ取ってくれる――大沢たかおが語る日本のエンターテインメントへの危機感
汗水垂らす俳優として、常に変化を求めていたいと言う。 「何十年もやっていると自分の心地いいスタイルができてくる。それが歓迎されるタイプの俳優さんもいますが、僕は挑戦したものを見せないと意味がないと思っている。だからずっときつい仕事ばかりやっています(笑)」 『キングダム』の王騎役では体重を20キロ増量させた役作りが話題となった。 「ストイックと言われますけど、全く違いますよ。筋トレだって毎日やるわけじゃないし、やっても1時間。僕がストイックだったら、みんなどんだけ怠けてるんだ?って(笑)」
20代はホップ、30代はステップ、40代はジャンプの時期だと語ってきた。50代はどんな時期なのか? 「ちゃっかりステップに戻ったりしていますよ(笑)。俳優は自由な仕事なので、どんなやり方でもいいんです。ただ、僕は20代の頃から『いぶし銀』とだけは言われたくなかった。それが似合う俳優さんもいらっしゃるけど、僕は『いぶしてどうなるんだよ?』と(笑)。さすがに僕が今高校生を演じるのはおかしいけど、年齢で役の枠を決めるのはやめようよ?という思いもある。アラサーとかアラフォーとか言うほど老ける気がするし、お客さんが『面白い』と思ってくれればいいわけですから」 「いいものを作る」「面白いものを作る」ための挑戦はこれからも続く。 「すごく大変で難しいけど、それ以上に楽しいんですよ。実写に関わっている一人として、現役のうちに、後悔がないように、やれるだけのことを精いっぱいやり切りたいですね」
大沢たかお(おおさわ・たかお) 東京都出身。1994年、ドラマ『君といた夏』で俳優デビュー。ドラマ『星の金貨』『劇的紀行 深夜特急』『JIN-仁-』、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』『風に立つライオン』など、出演作多数。『キングダム 運命の炎』が公開中。『沈黙の艦隊』は9月29日から全国公開。 ヘアメイク:松本あきお(beautiful ambition) スタイリング:黒田領 本記事はYahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」、「#昭和98年」の一つです。仮に昭和が続いていれば、今年で昭和98年。令和になり5年が経ちますが、文化や価値観など現在にも「昭和」「平成」の面影は残っているのではないでしょうか。3つの元号を通して見える違いや残していきたい伝統を振り返り、「今」に活かしたい教訓や、楽しめる情報を発信します。