俳優・野村康太「浮世絵の着物の絵柄や色の使い方は、いまでもすごく参考になる」、『動き出す浮世絵展 TOKYO』の見どころは?
名古屋やミラノなどの国内外にて好評を博し、現在、東京・東品川の寺田倉庫 G1ビルにて開催中の『動き出す浮世絵展 TOKYO』。展覧会にあたり、俳優としてブレイクし、モデルとしても活躍中の野村康太がアンバサダーを務めている。その野村に展覧会や浮世絵の魅力をはじめ、今後、俳優として演じたい役柄などを聞いた。 【写真】浮世絵の世界に没入できる体験型デジタルミュージアム『動き出す浮世絵展』
9つのデジタルアート空間にて浮世絵の世界に没入!
『動き出す浮世絵展』とは、葛飾北斎、歌川国芳、歌川広重、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川国貞といった、江戸時代を代表する浮世絵師の300点以上の作品をもとに、3DCGアニメーションやプロジェクションマッピングなどを駆使して、浮世絵の世界に没入できる体験型デジタルミュージアムだ。 「藍(あい)」や「麗(うるわし)」、「遊(あそび)」に「豪(ごう)」、それに「雅(みやび)」などの9つのデジタルアート空間では、美人画、役者絵、風景画、花鳥画といったさまざまな浮世絵が、現代のアーティスト・クリエイターの手によってダイナミックに展開。ポップアートさながらの生き生きとした映像にてよみがえり、あたかも江戸時代へとタイムスリップして、浮世絵の世界に入り込めるような空間が続いている。 また擬人画やだまし絵をデジタルアートで楽しめるだけでなく、レトロな見世物小屋を思わせる「浮世絵金魚ボール」や「浮世絵輪投げ」など、アナログな体験型の展示も見どころといえる。
武者絵に登場する豪傑が躍動! お気に入りの「雅」と「豪」の魅力
北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』の「Great Wave」の波が大画面で展開する「藍」では、国芳の『宮本武蔵の鯨退治』に登場するクジラを3DCGとして表現。また美人画を花々で彩る「麗」では、歌麿や国貞の描いた美人画の背景を拡張し、花見を楽しむ優美な女性たちのすがたがモーショングラフィックにて描かれている。 国芳の出世作として名高い「水滸伝」シリーズや、妖術師を描いた国貞の「豊国揮毫奇術競」など武者絵をテーマとした「豪」では、雷鳴轟く嵐や灼熱の炎の中を豪傑らが躍動していて迫力満点。ラストの「雅」においては、北斎の『冨嶽三十六景 凱風快晴』、通称、「赤富士」として親しまれる富士山を背景に、それぞれの浮世絵師のハイライトともいえるシーンが華やかに映し出されていく。 一つ一つのデジタルアート空間で大きくムードが変わるのも『動き出す浮世絵展 TOKYO』の特徴だが、野村はどの場面を最も気に入っているのだろうか。 「『雅』と『豪』で迷いますね。僕はウェイトトレーニングが好きなので、『豪』に映し出されていた武者達を見ると、筋肉隆々ですごいな、もっとたくましくなりたいなと…ただInstagramなどのSNSにアップするとしたら、やはり富士山が目立っていて、桜の映し出されるシーンが綺麗な『雅』だと思います」