【行正り香さんにきく〝50代。これからの住まい〟に思うこと〟②】手軽で効果的なリノベーション(リフォーム)成功の秘策、それは…あのアイテムを替えること
料理家であり、北欧インテリアに造詣が深くインテリアコーディネーターや生活空間プロデューサーとしても活躍する行正り香さんに、50代に向けた心地よい家づくりのポイントを教えてもらう連載。リノベーションといえば気になるのが費用。そこで今回はできるだけ手軽に効果的に部屋の印象を変えるコツについて教わった。
「こんにちは、行正り香です。前回は、心地よいすまいづくりの第一歩は自分の『好き(理想)』を見つけること、というお話をしました。 とはいえ、理想を見つけたあと、どうするのか。その選択肢はいろいろあります。 模様替えですませるのか、インテリアコーディネーターなどプロの手を借りるのか、工務店などに頼んで間取りの変更など大がかりなリノベーション(リフォーム)までするのか、など。どれを選ぶかで、かかる予算も手間も時間も大きく変わるので悩むところですよね。 そこで今回は、『これを替えれば劇的にインテリアの印象に変化をもたらすもの』をご紹介します。 住まいを劇的に変えるもの、それは照明です」
◆ライトは温かい色を選んで、明るさを絞る
まずは照明についているLED電球を見直してみるだけでも、部屋の雰囲気が変わると行正さん。 「白色系(蛍光灯の色)の光は、仕事や勉強をするのに向いていますが、心地よい空間づくりには向いていません。おすすめは、電球色です。電球色とは、オレンジ色がかった温かみのある光の色です。 電球色を選ぶこと、その際には20W程度の明るすぎないものにするだけでも大きく雰囲気が変わります。 一般的には60Wの電球を使うことが多いので、20Wでは暗いのでは?と思うかもしれません。でも、20Wでも十分明るいですし、なんなら10W台でもいいくらいです。 電球は明るさを絞って、落ち着いた色合いのものを選ぶようにしましょう」
◆ひとつの照明ですませるのではなく、いくつも組み合わせた多灯を
「また、部屋に置く照明の種類についても考えていきましょう。 日本では一般的に、天井に設置して部屋全体を照らすシーリングライトが居住空間に使われていることが多いですよね。 でも、シーリングライトのような部屋全体を照らす明かりひとつですませるのではなく、いくつもの照明を使えば、部屋の印象にメリハリが生まれます。 我が家はペンダントライト、テーブルスタンド、フロアスタンド、ダウンライト、スポットライト、キャンドルといった部分照明をいくつも置いています。 普段シーリングライトを使っているお宅なら、勉強や仕事の際にはシーリングライトで部屋全体を照らし、食事や音楽を聴いたりといったリラックスタイムにはシーリングライトを消し、いくつもの部分照明を組み合わせた多灯にしてみる。 これだけでも部屋が心地よく、落ち着いた雰囲気に変わります」