J1町田、6戦ぶり白星に黒田監督「これぞ町田の魂と、身をもって表現」逆転優勝へ望みつなぎ笑顔
◇9日 明治安田J1リーグ第36節 町田3―0FC東京(国立競技場) 町田の黒田監督は両拳を握り、安堵(あんど)の息を吐いた。約2カ月、6戦ぶりの白星。「肩の荷が下りた。苦労から解放された一瞬だった」。青森山田高時代から慣れ親しんだ聖地で初勝利。逆転優勝に望みをつなぎ、笑みが絶えなかった。 キーマンは白崎だった。前半15分、最前線で韓国代表FW呉世勲(オ・セフン)が頭で競り勝ち、球を拾ったエリキが持ち運ぶと、白崎が中盤の底から間隙(かんげき)を突いて駆け上がってきた。右足を合わせ、左隅へ流し込んだ。「チームの気持ちが乗った得点」と納得顔だった。 後半4分、左サイドの相馬がクロスを送ると、逆サイドから飛び込んできたのは白崎だった。体を投げ出し、右足を伸ばして呉に絶好アシスト。3バックへの変更に伴い、白崎は3列目からゴールを襲うという難度の高いタスクを全うした。 優勝戦線の重圧、緊張に苦しみ「不安と重圧に押しつぶされるような心境があった」と黒田監督。原点に立ち返り、走り、球際で戦い、躍動した。指揮官は「これぞ町田の魂と、身をもって表現してくれた」とたたえた。残り2戦。勝って、天命を待つ。
中日スポーツ