“白黒勝敗オセロ”ストップの阪神矢野采配に疑問…なぜ主力を早々にベンチへ下げたのか?
4つあった守備のミスがすべて失点に絡んだ。 4回二死から三森が三塁のほぼ定位置に飛んだゴロを逆シングルで捕球した大山が一塁へ高くそれる悪送球。その後、三森に盗塁を許し今宮にレフト前タイムリーを打たれ0-4とリードを広げられた。 5回二死一、三塁からは、松田の打席で2番手の斎藤が投じたスライダーを梅野がなんとトンネル。記録は暴投になったが、ヒットなしで5点目を奪われる痛恨のブロックミス。8回には、梅野に代わってマスクをかぶった坂本が、無死一塁から代走の周東に走られて二塁へ悪送球。三塁へ進まれ、これも失点に結びついた。さらにこの回は、二死三塁から今宮のセカンドベース寄りのショートゴロを中野が弾いてタイムリーエラー。決定的な8点目がスコアボードに刻まれた。中野の失策は、これで10個目のセのワースト。ちなみに不名誉な2位は大山の7個である。 高代氏が問題視するのは大山のミスだ。 「悪送球となった原因は捕球体勢にある。ロングのワンバウンドの打球だったが、足を動かし、もうひとつ前で捕球しておけば、そのままステップして一塁へ下半身を使いリズムよく送球することができていた。足が動いておらず、快足の三森を見て焦るから、ああいうことが起きる。大山は送球ミスが目立つが、そのほとんどはステップが原因の技術的なものだ」 チームの失策数は両リーグワーストの42個。昨年の85失策を超えるペースだ。勝っている間は、これらのミスにフォーカスされることはなかったが、敗因に絡んでくると見過ごすわけにはいかない。 何か特効薬はあるのだろうか。守備のミスを減らす手っ取り早い方法は、エラーをする可能性の高い選手を使わないこと。高代氏は、DHを使える明日8日からの日ハム、楽天とのアウエー6試合での緊急コンバートを提言する。 「三塁のスローイングでいえば、佐藤の方が上。安定感がある。佐藤を三塁で使い、一塁に大山。マルテをDHで使えばどうか。あるいは登録抹消されていた大山の体にまだ不安があるなら大山がDHでもいいだろう。三塁に佐藤を置き守備を落ち着かせる必要がある」 そして腑に落ちないのは、矢野監督が、5点を追う6回に近本、7回にサンズというキーマン2人を守りからベンチに下げたことだ。8回の守りからは梅野も坂本と交代した。まるで捨てゲームである。