“白黒勝敗オセロ”ストップの阪神矢野采配に疑問…なぜ主力を早々にベンチへ下げたのか?
高代氏も指摘する。 「積極的休養なのか。チームの内側のことはわからないので評論は難しい。サンズ、近本、梅野らに何か肉体的な不安があるのかもしれないが、この交代は、試合をあきらめたと受け取られてもおかしくない。ソフトバンクはブルペンが不安。5点差で残り4回の攻撃があるなら捨てゲームにする段階ではない。また近本ほど嫌なバッターはいない。足があるので守りでプレッシャーがかかる。ひとつのミスが命とりになる。その近本が抜けたことは非常にソフトバンクを楽にした。私の経験から言って、レギュラーは、こういう交代を望まないし、休養になるとは思わない。明日は試合がないのだ。むしろ試合に出たいと思うだろう。この采配には疑問が浮かぶ」 実際、ソフトバンクは、6点差がありながら、8回無死一塁から松田に代わって途中出場の高田にバントを命じた。高代氏は、「ブルペンへの不安を如実に表している。点差があるので必勝パターンは温存したい。そうなれば、2、3失点は覚悟という考えがあってのバントだったのだろう」という。 高代氏は、3回で2番でスタメン出場させていた北條を下げた交代にも疑問を抱く。矢野監督は、3回一死走者なしで投手の西に打順が回ってきたところで、代打・木浪を送り、木浪がヒットを打つと、そのままセカンドでゲームに残し、次の回の打順の巡りを考慮して2番の北條のところに投手を入れた。 「好調の北條を下げる意味がわからない。ファイトあるプレーで2回にファインプレーをしている。和田攻略には右打者が重要。木浪は下げて、そこに投手を入れる正攻法の交代で良かったのではないか」 守備の乱れが足を引っ張るゲームの流れの中で、北條は2回二死二塁から栗原のセンターへ抜けそうな打球を横っ飛びで止め一塁でアウトにするファインプレーで失点を防いでいた。 「こういう采配は、ベンチの焦りのように映る。菅野が復帰したとはいえ追う巨人はまだ戦力が整っていないのだから、何か特別なことをしようとせず、どっしりと構え、普通に戦えばいい」 まだ貯金は「14」あり巨人とのゲーム差は3.5のままだ。 ただ交流戦を勝率5割で終えるためには日ハム、楽天の6試合を4勝2敗にして盛り返す必要がある。日ハムは開幕投手で5勝2敗の上沢が先陣を切り、金曜日からの楽天3連戦には、涌井、マー君、早川の屈指の3本柱が立ちはだかる厳しいマッチアップとなっている。