“白黒勝敗オセロ”ストップの阪神矢野采配に疑問…なぜ主力を早々にベンチへ下げたのか?
阪神の“白黒勝敗オセロ”が最悪の形でストップした。6日、甲子園で行われた交流戦の対ソフトバンク第3戦に3-8で完敗。4月27、28日以来、1か月半ぶりの連敗となり16試合続いていた“白黒勝敗オセロ”が止まった。4つの守備のミスが失点に絡んだが、疑問だったのは5点ビハインドの展開で、6回の守りから早々と近本光司、サンズ、梅野隆太郎らの主力をベンチ下げた采配。ペナントレースの先を見据えた“積極的休養”だったのかもしれないが、ブルペンに不安を残すソフトバンクを楽にさせた。優勝するためには見せてはならないスキだ。
緊急先発の西純矢が3回3失点KO
甲子園から帰路につく虎党は少し幸せな気分だったのかもしれない。2-8で迎えた9回一死から佐藤がソフトバンクのセットアッパー泉が投じたツーシームを捉え、右中間スタンドへ豪快なアーチを描いた。3試合ぶりの15号。これが交流戦5本目となり巨人時代の長野久義(現広島)がマークした4本を超え新人の交流戦最多本塁打記録を更新した。怪物ルーキーには、最後までファンを席から立たせず、その豪快な一発には負けを忘れさせる一服の清涼剤のような魅力がある。 だが、阪神電車が大阪・梅田に着く頃には、阪神ファンにモヤモヤ感が湧き上がってきたのではないか。日曜日の連勝が「9」でストップ。16試合続いていた“白黒勝敗オセロ”が「黒黒」でストップすることになった。しかも、負け方が悪かった。 先発の西純矢は3回しか持たなかった。 先発予定だったガンケルが喉痛と頭痛を訴え、新型コロナの検査では「陰性」だったが、急遽、2年目の西純矢が先発抜擢を受けた。5月19日のヤクルト戦で5回をノーヒット無失点に抑えてプロ初勝利を手にしているが、この日は、ハツラツさに欠けた。 とにかく変化球、変化球…。フォークでカウントを悪くしてストレートを狙われる、あるいは、変化球を狙い打たれ、立ち上がりに3失点。攻める姿勢が見られなかった。 一方で、攻撃陣はソフトバンクの40歳のベテラン左腕、和田に7回まで4安打無失点。佐藤は変化球に幻惑されて3打席連続三振だった。阪神の打者は、140キロ台のストレートに差し込まれていた。 昨年まで7年間、阪神でコーチを務めた評論家の高代延博氏は、投打の敗因をこう分析した。 「西は投球に若さがなかった。ストレートを軸にしないと変化球が生きない。まだローテー起用は難しいだろう。和田はボールの出所が見えにくく、スライダー、チェンジアップ、ストレートの腕の振りがほぼ同じ。だからストレートが速く感じる。この日、カウント球、勝負球の変化球のほとんどが外角中心。やみくもに強振しては思うツボ。チームとして、内、外のどちらかに割り切って絞ってセンター返しを徹底すべきだったが、それができていなかった」 最大の敗因は課題である守乱である。