浮き指、かがみ指、扁平足…「子どもの足に異変が」成長の妨げ、運動能力の低下を招く最大の理由とは
外反母趾、内反小趾、浮指など、大人の女性を悩ませている足指の変形が、最近では子どもにも見られるようになってきています。足指の変形が子どもにどのような影響を与えるのか、その原因と対策を、長年、足の変形を診療してきたみらいクリニック院長・今井一彰先生に聞きました。 【写真】「こんな指には要注意?」気になる子どもの足の変形(全3枚)
■子どもの足に起きている異変 私が子どもの足指を診るようになったのは、知り合いの保育士さんから「子どもたちの足に異変が起きている、なんとかしてあげたい」と相談されたことがきっかけでした。そのとき、数百もの園児の足形写真が持ち込まれたのですが、足指が地面につかず浮いている「浮き指」、足指が曲がって丸まっている「かがみ指」、小指が内側に寄っている「内反小趾」、親指が内側に寄っている「外反母趾」、土踏まずがなく足裏が平らになった「扁平足」といった足指の変形がたくさん見られ、衝撃を受けました。
園児たちを調査すると、ジャンプ後に大きな音を立ててかかとから着地したり、足が床から離れなかったりする子などがいました。足指が変形してしまった子どもたちは、安定性に欠けるため、転びやすくなり、ジャンプや行進がうまくできなくなるのです。
■足指の変形が「子どもロコモ」を招く大きな要因にも 近年、子どもの運動機能の低下が社会問題にもなっています。しゃがんだり、体育座りなどができない現象から、「子どもロコモ」という言葉もできました。
「子どもロコモ」の原因は、姿勢の悪さや運動不足であると指摘されていますが、じつは姿勢の悪さを招く大きな要因は足指の変形にあります。足指が伸びていないと、体を支える土台の接地面積が狭くなり、足元が不安定になります。すると、体のバランスを保つためにかかと側に重心がかかるようになり、猫背や反り腰といった姿勢になってしまうのです。 子どもの足指が変形してしまう最大の理由は「足に合っていない靴」です。サイズが大きくても小さくても、足の変形につながります。園児の足形を見てなんとかしたいと痛感して取り入れたのが、足指を軽く反らして伸ばす動作を繰り返す「ゆびのば体操」でした。足指を軽く反らして伸ばすだけの簡単なもので、手順は次の通りです。