浮き指、かがみ指、扁平足…「子どもの足に異変が」成長の妨げ、運動能力の低下を招く最大の理由とは
■ゆびのば体操の手順 ・座った状態で、片足を太ももの上にのせた姿勢をとる。 ・足指の間に手の指を入れ、足先をふんわりとやさしく握る。 ・足指の裏側をゆっくり、やさしく伸ばし、5秒キープ。足指は30度ほど曲げれば十分。 ・足の甲側をやさしく伸ばし、5秒キープ。(3)と(4)を交互に行い、逆の足も同様に。両足で3分(10往復ほど)行う。 小さいお子さんは、お母さんやお父さんが行ってあげるとよいでしょう。 保育士の方々に協力をいただき、この対策を数か月行うことで、まず片足立ちの時間が長くなりました。未実施の子どもと比べてみると平均で倍の時間差が出ました(実施児の平均52秒、未実施児の平均27秒)。 また、約2400名を対象にした福岡市東区の保育園グループの調査では、転倒で負傷して医療機関を受診した割合が低下しました(実施群3.6%→2.8%、未実施群3.1%→5.7%)。そのほか、縄跳びの回数が増えた、ジャンプ力がアップしたなどの報告も挙がっています。
■五本指くつした、サポーターの着用も効果的 このように、足指の運動を続けることで指がしっかりと開いて、力いっぱいに踏ん張れるようになります。さらに、運動だけではなく、その手助けになるものはないかと考え、足指を伸ばす矯正くつしたとサポーターも開発しました。この矯正具を1日に8時間以上つけて活動すると、足指の形が改善できることが実証されています。 子どもたちの足や骨格はやわらかいので、違和感や痛みを大人ほど感じにくく、痛みを感じたとしても大人にうまく伝えられません。成長期の足指の変形は、体の成長にも影響します。親をはじめ、周囲の大人が子どもの足指の異変にいち早く気づき、正しくケアしてあげることが大切です。子どもの足を守り、育てる「足育」が、子どもの健やかな成長を支えます。
PROFILE 今井一彰さん いまい・かずあき。みらいクリニック院長。内科医。「ゆびのば体操」(足育)、「あいうべ体操」(息育)の2つの「ソクイク」で、病気にならない体つくりを提案。一般向けから専門家向け、幼稚園・小学校から行政・企業向けなど幅広いジャンルの講演を行うかたわら、テレビなどのメディアでも活躍中。近著に『姿勢を矯正し、足腰を強くする「ふみふみ」トレーニングサポーター』『子どもの運動能力を伸ばす「ふみふみ」トレーニングサポーター』(いずれも主婦と生活社刊)がある。
ちゃんと 編集部