写真で見る、気候変動が自然豊かな国立公園に及ぼすインパクト(海外)
気候変動はアメリカの国立公園にも脅威を与えている。 気温の上昇や異常気象は、生態系と観光客の両方に影響を及ぼしている。 【全画像をみる】写真で見る、気候変動が自然豊かな国立公園に及ぼすインパクト 国立公園の"変化"を目の当たりにすることで、人々の環境保護への意識が高まればと関係者は願っている。 毎年、3億人以上の観光客がアメリカの国立公園システムを構成する数百の公園を訪れている。他では見られない山々や森の景色が広がるこうした公園では、日常生活では見過ごされがちな自然や音に浸ることができる。 ただ、国立公園は危機に瀕している。「ほとんどの公園が複数の問題を抱えている」とNational Parks Conservation Association(NPCA)の環境政策・気候変動担当のシニアダイレクター、チャド・ロード(Chad Lord)氏はBusiness Insiderに語った。 気温上昇、乾燥、外来種、勢力を増す嵐など、多くの公園が劇的な変化を経験している。気温上昇によってグレイシャー国立公園から氷河が姿を消しつつあるのもその一例だ。 アラスカからフロリダまで、気候危機がいかに国立公園を変化させているのか、いくつかのケースを紹介しよう。
グレイシャー国立公園は、地質学上の驚異だ
モンタナ州にあるグレイシャー国立公園は複数の山、谷、氷河湖を擁し、その広さは1500平方マイル(約3900平方キロメートル)を超える。現地を訪れたことがない人でも、映画『シャイニング』(1980年)に登場したこの公園のGoing-to-the-Sun Roadには見覚えがあるかもしれない。 公園のあちこちでハイイログマがハックルベリーの実を食べている。ナキウサギやオオヤマネコ、シノリガモもこの地域の寒冷な気候に適応している。
氷河は溶けている
グレイシャー国立公園にはかつて80もの氷河があったものの、アメリカ国立公園局(NPS)によると、2015年の時点で26しか残っていなかった。衛星画像が捉えた残りわずかの氷河も、縮小の一途をたどっている。 気温の上昇が氷河の消失を加速させ、そこに生息する動植物に影響を与える。 例えば、シロイワヤギは夏を涼しく過ごすために、局所的に残る積雪(雪渓)を頼りにしている。冬になると、雪がナキウサギを厳しい寒さから守っている。