写真で見る、気候変動が自然豊かな国立公園に及ぼすインパクト(海外)
デナリ国立公園には、息をのむような絶景が広がっている
アラスカ州にあるデナリ国立公園は広さ9500平方マイル(約2万4600平方キロメートル)弱と、アメリカの一部の州よりも大きい。デナリの冬は寒く、気温はマイナス40度にもなる。 この公園はもともとドールシープを保護するために作られた。現在、推計2000頭のドールシープがこの寒冷な気候をものともせずに生息している。ハイイログマ、オオカミ、ヘラジカに加え、アカギツネ、カンジキウサギ、数十種の鳥類も生息している。アメリカアカガエルはデナリに生息する唯一の両生類だ。
デナリ・パーク・ロードは一部が何年も通行不能
1960年代、プリティ・ロックスの地滑りが公園に通じる道路に亀裂を入れ始めた。2014年には、地滑りが毎年数センチずつ動いていた。2021年には、それが毎時間数センチ動くようになった。現在、デナリ・パーク・ロードはそのほぼ中間地点で通行止めになっていて、ワンダー湖といった場所への車でのアクセスは遮断されている。 NPSによると、デナリ国立公園の年間平均気温はかつて氷点下をはるかに下回っていたが、今は零度近くまで上がっているという。温暖化と永久凍土の融解が、地滑りの動きを加速させている。この道路は岩石氷河に切り開かれていて「温暖化の小さな積み重ねがこのような大きな地滑りを引き起こし、道路が崖から落ちている」とNPCAのシニア・ビジテーションプログラム・マネジャーであるキャシディ・ジョーンズ(Cassidy Jones)氏は語っている。
Jenny McGrath