【40代、50代・どうする?眼瞼下垂/医師の本音対談】眼瞼下垂の治療や手術、後悔しないクリニック選びのポイントは?
①1カ月前に前院で両側手術後、左右差が出たため右目のみ再手術したという方。前院の修正手術後10日目。まだ左右差がひどい状態。 ②高田先生により左右とも修正手術。 広すぎる二重の幅を縮小し、開瞼幅の左右差を調整。これは術後1週間。 ③12週間後、左右差がほぼなくなり、かなり自然な状態に。
「切らずに治したい」なら、美容外科で自費診療がベスト
麻生 埋没法(まぶたを切らずに、針を使って細い糸で まぶたの皮膚の内側と筋肉や軟骨を結びつける方法)は、そもそも眼瞼下垂の手術じゃないですからね。眼瞼下垂の治療手術として埋没法って書いてるところもあるじゃないですか。 高田 混同されてますよね。眼瞼下垂の手術の目的は目をちゃんと開けることであって、二重を作る手術ではない。保険内でできる眼瞼下垂の手術では、二重になりにくい人はならないし、なる人はなるよって話です。 ただ、目の機能を治すうえで、いかにナチュラルに仕上げるかが勝負。 僕は保険治療でもできるだけ自然な目にこだわってるんですよ。自分がきれいと思う目にしてあげようと思ってる。 僕の手術でベースにしているのは、保険診療での「眼瞼挙筋腱膜前転法」です。 皮膚を含めできるだけ組織を温存しつつ腱膜を折りたたむように縫い止めるんですが、その止め方の強弱でも二重の食い込み方が変わり、二重の幅が変わります。なので、皮膚の切除量、切開デザイン以外の二重まぶたの構成要素にも気を遣いますね。 自由診療であれば、皮膚、まぶたの脂肪、眼輪筋などの組織の切除量を意図的に増やして、仕上がりのデザインに対して保険診療より配慮したものにしています。
麻生 美容外科は「切らないで」という人も多いので、僕はまぶたの裏側からミュラー筋をタッキングする方法をいちばん使います。ミュラー筋は、また緩む可能性があるので、緩んだらもう1回やらないといけないですけどね。 うちは自費診療なので、基本的に「切りたくない」という人には皮膚は切除しない。 僕はあんまり二重の皮膚を切るのは好きじゃないんです、先生はどうされるかわからないですけど。 高田 僕は二重の皮膚を、だいたい3mmは切ります。眼瞼下垂で目の開きを治しながら、余った皮膚を取って二重もきれいに見せたい。僕はそれが売り。保険診療でのパターンにしてます。 ただし、それ以上皮膚を取ってほしいと言われたら自費にしますよ、と説明しています。 麻生 ミュラー筋を触るのはだめと言う先生もいますね。 高田 それ、僕です。他院でミュラー筋を傷つけられて、術後に眼瞼痙攣(けいれん)になってる人が大勢来るんです。ミュラー筋タッキングは初心者の先生でもできる代わりに失敗しやすいんだと思います。 先生のように、切らないで裏側からうまくミュラー筋を引っ張れる先生はいいんです。でも、慣れていない先生もいる。 糸の結び目をまぶたの裏側に置いてこられたら、後になって取るのがめちゃくちゃ大変。再手術できないケースもあります。 麻生 そう、結び目を裏側に置いてくる先生がいるんですよね。裏だと絶対だめだと思うんです。僕は表側で二重のラインと連動させる方法を以前学会で発表してたんですけど、全然研究してない先生もいる。 僕なんか、手術もネット上で公開しちゃってるから、しっかり見てもらっていいんですけどね。 まあ、眼瞼下垂をメスは使わないで、しかも二重をきれいにしたい、となったら自費で美容外科しかないでしょう。 美容外科に行って「保険診療もすると書いてあったのに、行ってみたら自費診療をすすめられてしまった」とクレームを言う人がいますけど、美容外科なら自費診療だと思ったほうがいいです。 高田 保険診療と自由診療の内容の違いをちゃんと言葉できっちり説明できるかどうかですよね。 うちはほぼ保険ですけど、保険ならこうこうこうですよという話を、カウンセリングでものすごく説明して、納得してもらったうえでしかやらないですね。 なにせ、僕がきれいだと思うものをやるから信頼して受けてほしい。