夫が交通事故で定年前に亡くなりました。年金を「1円も」受け取っていないのですが、今まで支払った保険料は返金してもらえますか?
年金を受け取り始める前に本人が亡くなってしまうケースがあります。この場合、本人の年金加入状況によって遺族は給付金を受け取れるケースがあるため、確認が必要です。 条件に当てはまっていれば、保険料の掛け捨て状態にならずに済むでしょう。今回は、年金を受け取る前に配偶者が亡くなったときの年金や、実際に受け取れる金額はいくらなのかなどについてご紹介します。 ▼年金「月15万円」を受け取っていた夫が死亡。妻は「遺族年金」をいくら受け取れる?
亡くなった方の状況に応じて遺族は給付金を受け取れるケースがある
国民年金保険料を支払っている方が年金を受け取る前に亡くなっても、支払った保険料自体は返金されないと考えられます。ただし、遺族基礎年金や遺族厚生年金、死亡一時金など、ほかの給付金を受け取れるケースがあるため、保険料の掛け捨て状態にはならない可能性があります。 受け取れる金額や条件は種類によって異なるため、あらかじめ知っておくと、配偶者が亡くなるといった万が一の事態にも対応しやすくなるでしょう。 ■支払いすぎた保険料は戻ってくるケースがある 亡くなるまでの間に支払った保険料は返金されませんが、前納制度を利用していたなどの理由で亡くなったあとの分も保険料を支払っていた場合は、返金されるケースがあります。 江東区によると、前納や、口座振替・クレジットカード納付を利用していたために死亡後に行われた振替処理で年金保険料が支払われた場合は、原則還付されるとしています。ただし、還付される範囲は亡くなった翌日が属する月以降の支払い分です。
遺族年金とは
遺族年金は、亡くなった方(以降本人とします)の遺族が条件に当てはまっていれば受け取れる年金をいいます。遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があり、受け取れる条件と対象者は表1の通りです。
※筆者作成 今回の事例において、もし妻が遺族基礎年金だけに当てはまり、子どもが1人いると、受け取れる年金額は合計105万800円です。なお、子どもとは18歳に達した年度の3月31日までにある方か、障害年金の障害等級が1級か2級状態の20歳未満の方を指します。 また、遺族厚生年金を受け取っている配偶者が65歳になり自身の老齢厚生年金を受け取る権利を有すると、老齢厚生年金は全額受け取れますが、同額相当の遺族厚生年金は支給停止されます。