サッカー“五輪代表”が新型コロナ禍で来日不確定のアルゼンチン戦を決めた切実な理由とは?
対戦相手未定のまま今月26日と29日に国際親善試合を行う予定となっていた東京五輪世代のU-24日本代表が、同五輪の出場権を獲得しているU-24アルゼンチン代表と対戦することが決まった。 日本サッカー協会(JFA)が1日に発表したもので、26日に東京・東京スタジアムで、29日には福岡・北九州スタジアムでともにナイトゲームで調整されている。さらに先週末に開幕したJリーグに倣い、観客を入れての開催も視野に入れて準備を進めていく。 ただ、概要こそ決まったものの、実際に開催されるかどうかは現時点で未定と言わざるをえない。首都圏の1都3県に発令中の緊急事態宣言がすべて解除された上で、外国人の新規入国停止、入国後の自主隔離措置が緩和されるアスリートトラック停止がそれぞれ解除されることが条件となる。 オンラインで急きょメディアに対応した、JFA技術委員会の反町康治委員長は「開催のめどが立つかどうかは政府のみぞ知る、ということです」と前置きした上で、開催まで綱渡り状態にあるといい、国際親善試合の対戦相手発表に踏み切った背景を説明した。 「明日に試合をするということであれば、残念ながらできません。ただ、3月のインターナショナルマッチデーに、私たちとしてはどうしても活動したかった。オリンピックまで半年を切っている状況で、今回はお互いに強化したいという目的が一致した。状況が緩和された場合に、まったく何もしていませんでした、というわけにはいかないので、このタイミングで発表しました」 新型コロナウイルス禍に見舞われてきたなかで、東京五輪に臨む男子代表チームも長期の活動停止を余儀なくされてきた。実戦は昨年1月にタイで開催されたAFC・U-23選手権まで、ヨーロッパ組を含めたベストの陣容での試合は2019年11月のU-22コロンビア代表戦までさかのぼる。 昨年末には千葉市内の高円宮記念JFA夢フィールドで、国内組だけを対象とした強化合宿を実施するなど、さまざまな制限が課されたなかで強化を模索してきた森保一監督の強い要望を受けて、JFAの技術委員会もマッチメークを進めてきた。ただ、対戦国探しを含めて交渉は難航した。