「魚5000匹をスケートリンクに氷漬け」で大炎上…7年前の大晦日に閉園した“ご当地テーマパーク”が突き進んだ独創的すぎる有終の美
2017年12月31日、福岡県北九州市八幡東区のテーマパーク「スぺワ」こと「スペースワールド」が最後の営業日を迎えた。閉園の発表はその約1年前、5000匹の魚を氷漬けにしたスケートリンクが「食べ物で遊ぶな」「かわいそう」などと突然ネットで炎上し、早々に閉鎖された少し後のことである。 【写真】「スタッフ5人で朝から晩まで」…ネットで炎上した「魚5000匹」リンク
多くの人の記憶に残っているのはこの「魚リンク騒動」かもしれない。だが、それから閉園までの1年間も、存続の署名活動や閉園告知の自虐CM、跡地の利用問題、遊具の移転、シンボルだった実物大スペースシャトル模型の行く末など、スぺワは話題が満載だった。さすが、27年間ご当地で愛され続けたスペワである。まずは全国区に躍り出るきっかけとなった「魚リンク騒動」のてん末を、「週刊新潮」(2016年12月8日号)の誌面で振り返ってみよう(肩書きなどは掲載当時のまま)。 ***
スケートリンクを海のようにしよう
生魚5000匹を氷漬けにしたスケートリンクが、「食べ物で遊ぶな」「死者を冒涜するな」などと批判され、閉鎖した。北九州市にある遊園地での出来事だが、そこには涙ぐましい、けれどちょっぴりトホホな“企業努力”が垣間見えた。 その遊園地、「スペースワールド」は、九州での知名度はそこそこながらも全国的には無名に近く、お世辞にも順調とは言い難い経営状況下にある。1990年の開園当初は“宇宙”をテーマにしていたが、最近は“宇宙”に拘ることなく奇抜な企画で集客を試みている。例えば“英会話教材を聴きながら絶叫できるジェットコースター”のように。 そんな同園の今年のスローガンは《アホはじめます》。夏のプールでは、女性ウケを狙って、“イケメン監視員”を配置したり、水かけショーでコラーゲンをぶちまけたり……。その一環で冬の目玉“アホ”企画に据えられたのが、「氷の水族館」と名付けられた“魚リンク”だったのだ。 「8月下旬、冬の催し物を決める会議で、『スケートリンクを海のようにして、その上を滑って楽しんでいただこう』というアイデアが出たのです」 と語るのは、同園総支配人の竹田敏美氏(以下同)。