「魚5000匹をスケートリンクに氷漬け」で大炎上…7年前の大晦日に閉園した“ご当地テーマパーク”が突き進んだ独創的すぎる有終の美
すべてが消えてしまったわけではない
閉園までの問題は運営資金だけではなかった。跡地の活用と「スペースワールド」駅の駅名存続に関する議論、従業員の再就職、遊具の引き取り先など、一連の報道は「消えゆくテーマパーク」をつぶさに記録し続けていた。 中でも、クラウドファンディングで引き取り先が見つからなかったスペースシャトルの最期は切ない。一部の遊具は行き先が決まったが、残りはスクラップに。スペースシャトルも2017年11月19日から解体作業が始まり、20日には骨組みが見える姿で重機に押され、あっけなく崩落した。作業を見守っていた住民や元従業員から「悲鳴があがった」「ため息が漏れた」と報じられたその様子は、動画配信サイトでも見ることができる。 だが、すべてが消えてしまったわけではない。閉園の数日前、スペワは星の命名権を購入し、「スぺースワールド」と名付けたことを発表した。また、開園時から展示されていた「月の石」も一旦はNASAに返却されたが、新たな貸与契約を結び、2018年12月からはスペワ跡地近くの「市立いのちのたび博物館」で、22年4月からは跡地に開館したスペースLABO(北九州市科学館)で展示されている。 他の跡地はイオンモール八幡東とジ アウトレット北九州に生まれ変わったが、JR九州の駅名は現在も「スペースワールド」だ。「北九州のテーマパーク」が最後まで見せた踏ん張りと地元愛は今も語り草となり、忘れられない輝きを放っている。 デイリー新潮編集部
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