「魚5000匹をスケートリンクに氷漬け」で大炎上…7年前の大晦日に閉園した“ご当地テーマパーク”が突き進んだ独創的すぎる有終の美
スタッフ5人で朝から晩まで
一周250メートルのトラック型の屋内リンクは、例年約2カ月を要して、不凍液の上に少しずつ水を張り、厚さ30センチの氷を作ってゆく。 「今年は色素を入れて青い氷にして、上から10センチのところに魚を並べるという手間を加えたわけです。勿論、例年より時間も掛かりました。 スタッフ5人で朝から晩まで、骨の折れる作業でした。アイデアも自前ですから、釣り好きなスタッフが中心になって、例えばサンマを円形に幾層も配置して、海の中を周遊しているように見せたり、リンクの入口は黄土色の氷にして貝殻やヒトデを埋め込んでビーチっぽく仕立てたりとか、お客様に喜んでもらおうと色々と工夫を施しました。 教育的な要素も入れようと、珍しい魚の横には子供向けの説明文を添えたり。氷の下だけでなく、リンクの周りにも魚がいた方がより海の中を滑っている感じが出るだろうと、魚を入れて凍らせた氷柱も100本ほど用意しました」 アジやエビなどの5種類5000匹の魚は、市内の魚市場から。活魚ではなく、外見に難があるなど商品にならない魚だけを仕入れた。ジンベイザメやエイは、実物大に引き伸ばした写真を氷中に埋め込んだ。
その日の夜に企画の中止を決定
11月22日、遂にオープン。 「例年と比べて、客層は広くなって人数も倍近く増えました。お子さんは魚を指差して大喜び。若い方にも『こんなの見たことない』『きれい!』とご好評でした。特にお叱りのようなものもなかったんですが……」 それも束の間、オープン2週間後の25日、突如としてネットが“炎上”。竹田氏は、その日の夜のうちに企画の中止を決めた。 「スケート目当てで年間パスを購入されたお客様もいるので、苦渋の決断でした」 目下、リンクの作り直しに追われる同園だが、実は作るのと同様、リンクを壊すのも一苦労なのだ。 「例年は5月上旬に閉鎖し、場内に外気を入れて氷を溶かすのですが、今の時期だと外気ではほとんど溶けません。そこで風を当てたり、機械で表面を削っている最中です。でも、その奥には魚がいるので、そこからはお湯で溶かすか……年内には再開したいのですが、まだ何とも読めない状況です」 ***