青学大が明治神宮大会初優勝で大学4冠 72年の関大など過去に4校が達成
◆第55回記念明治神宮野球大会最終日▽大学の部・決勝 青学大7―3創価大(25日・神宮) 大学の部は、青学大(東都大学)が初優勝で史上5校目(6度目)の大学4冠を達成。広島ドラフト1位の佐々木泰内野手(4年=県岐阜商)とロッテ1位の西川史礁(みしょう)外野手(4年)がけがでスタメンから外れる中、5番の中田達也中堅手(3年)が初回、大会決勝史上初の満塁本塁打で4点を先制。ナイン一丸で打ち勝った。 * * * マウンド上の歓喜の輪に、センターから全速力で飛び込んだ。中田は激しく仲間と体をぶつけ合い、喜びに浸った。青学大、初の神宮大会制覇。大学4冠達成だ。3年生のヒーローは「4年生を日本一の男にする。それだけをテーマに戦った結果」と胸を張った。 仕留めた。0―0の初回1死満塁。甘く入った132キロの直球をフルスイングした。打球は右翼席に着弾。大会決勝史上初の満塁弾で4点を先制だ。「自分で言うのも何ですが、“持ってる”と思います」。6月の全日本大学選手権では打率4割6分7厘で首位打者に輝き、日本一に貢献。秋も無類の勝負強さを発揮した。 緊急事態だった。強打を誇る佐々木と西川のドラ1コンビが、負傷でスタメンから外れた。だが、うろたえる男はいなかった。前夜のミーティング。主将の佐々木は3年生に言った。「来年はお前たちが引っ張っていく番。それがちょっと早くなっただけだ」。中田の心が熱くなった。ほとばしる闘志をバットに込めた。 星稜OBで石川・加賀市出身。元日は震度5強の揺れに襲われ、高台へ避難した。七尾市内の曽祖父の家は倒壊。知人には命を落とす人もいた。「石川の方に元気を与えたいと始まった年。こういう形で締めくくれて良かった」。晩秋の夕日に照らされ、故郷に思いをはせた。(加藤 弘士) ◆大学4冠 同一年に春秋のリーグ戦、全日本大学選手権、明治神宮大会を全て優勝することで、過去に72年の関大、89年の近大、97年の近大、02年の亜大、08年の東洋大が達成。青学大は5校目(6度目)。
報知新聞社