中学受験「カテゴリ別」学校選びが成功の近道な訳 入学後も後悔がない!家庭で必要な受験軸とは
受験は終わりではなく始まり
このように、学校によって理念も教育方針も特徴があります。学校選びで何より大事なのは、その理念や教育方針に共感できるか。校風になじめるかという視点です。入学したら6年間、毎日過ごす学校で浴びていた言葉のシャワーが、知らず知らずの間に人格の土台をつくっていくものです。子どもから大人に成長していく6年間にどのような価値観に接するかは、重要ではないでしょうか。 日本全国で、小中学校の不登校の児童・生徒が30万人を超え、中学生の約5人に1人が「不登校」または「不登校傾向」です。受験は合格で終わりではありません。これから欠かせないのは、「どれだけ学びを深め自分のものにすることができるか」、そして「自ら人生を切り開いていく力」です。そう考えると、中学受験は、子どもたちが自分で人生の扉を開く最初のチャレンジとも言えるのではないでしょうか。 お子さんの受験を考えている方の直近の目的は、子どもに中高でいい教育を受けさせたいということかもしれません。でも、もう少し目線を未来に向けてみたとき、その先にある目的は何でしょう。 受験は、その子の人としての育ちの大事な機会になりますが、やり方を間違えるとしこりを残すことにもなりかねません。そして、中学受験では、そのどちらになるかを左右するのは、親の関わり方が大きいのです。 それだけに、私は一貫して受験軸を持つことを提案してきました。何のためにという目的を持つこと、そして、目的を達成するためにどうするのか考えて行動に移していくこと。さらに違ったと思ったら軌道修正して、自分のベストを見つけていく。これは受験だけでなく、その先の人生でも役に立つ考え方です。受験を通してそれを体得できたら最強です。 人生の中には、振り返ると「あのとき、あのことがあったから今がある」というような出来事があります。今、お子さんは、そんな経験をしている最中かもしれません。 どんな結果であれ、その経験が次につながる経験にできたとき、中学受験はお子さんにとって、育ちの大事な機会になったといえるでしょう。やってよかった受験にするために、今一度お子さんと受験軸を確認して、最高の合格を勝ち取ってください。 ※本原稿は『中学受験 親子出勝ち取る最高の合格』(青春出版社)の内容をもとに加筆したものです。 (注記のない写真:ダイ / PIXTA)
執筆:教育ジャーナリスト 中曽根陽子・東洋経済education × ICT編集部