育児関与は「2%」――戦力外だった古坂大魔王、育休で到達した「能動的」子育て
育児への貢献、1軍の備品係から2軍選手へ
第1子が生まれた頃を振り返って、古坂は言う。あの時の自分は、妻のサポートにすぎなかったのだ、と。例えば、新生児のオムツ替えは、1日10回を超える。父親が2度ほど替えたところで、育児への関わり度数はさほど上がらない。 「『オムツを替えて』って妻から頼まれた段階で、受動的なわけです。自分から気づいて能動的に替えられるかどうか。その部分の気づきが足りていなかったな、と。結局僕は、ただの“妻サポ”にすぎず、実際は戦力になってなかった。野球に例えれば、1軍の備品係です。今の時代、ネットスーパーをはじめ、妻サポに代わるものは、いっぱいありますから。だったら、今度は能動的に自分もプレーヤーになろうと考えたんですよ。とりあえず妻がやっていることを、一通りできるように訓練をする。1軍ほどじゃないけど、それなりに投げて守れる2軍の人がいれば、安心じゃないですか」
目指したのは、2軍選手。仮に母親がけがや病気でダウンしても、なんとか家族の毎日を支えていける役割だ。育休中、具体的に古坂が取り組んだのは、新生児のオムツ交換をはじめ、長女の保育園への送迎、子ども2人のお風呂、家の片付けなど。なかでも特に重要視したのは、夜間授乳だった。 「とにかくはじめは、妻の睡眠時間をキープすることが大切。僕、Eテレの『すくすく子育て』という番組を2年以上やってるんで、知識だけはあるんです。うちは早めにミルクと母乳混合にして、妻が寝てからは僕が朝までやりました。毎晩3、4回起きてたかな」 よく父親は赤ちゃんの泣き声がしても、母親のようには起きられないというが……。 「いや僕も起きづらかったですよ。自分の仕事だと思わないから、起きられないわけです。寝る前に『起きる』ってマインドセットしておけば大丈夫。でも、もともと僕ロングスリーパーで、1日8時間寝ないと調子悪いんです。だから夜泣きの番をしている時も、ちょこちょこ昼寝はしてました。それでも倒れちゃったことがあって。だから一人で全部抱えている世のお母さんたちは、大変だなあって」