育児関与は「2%」――戦力外だった古坂大魔王、育休で到達した「能動的」子育て
女性だけが育児するのは「ずるい」
育休を終えても、古坂家の育児生活はもちろん続いている。最近は、1週間のスケジュールが出たら妻と共有し、この日は自分ができると思えばやる、というふうに、“1軍と2軍の仕分け”をするという。 つまり育休は、2軍選手になるためのトレーニング期間だったのだ。 「男って、育児を苦役だと思ってるふしがある。1個仕事が増えたって。でもね、家の中では外で大きな商談をまとめてくるよりも『水がこぼれてそれを拭くか拭かないか』のほうが重要なんですよ。家事や育児にも能動的に取り組めば、家族とはずっと仲良くいられると思うし、思春期の娘に嫌われることもないと思う」 子どもたちと関わるほどに、愛情が返ってくることも実感している。今では「女性だけが育児をするのは、ずるくない?」とすら思う。だから、夫婦仲は、すこぶる良好だ。 「けんかの理由なんて、ほぼ9割どっちかが疲れてる時。理由のほとんどは睡眠なんです。だから、睡眠をうまいこと2人で分けるのが一番いいかなってわかってきましたね。また、女性にはホルモンバランスによる変化があるようなので、妻が『今日はごめん、ホルモンバランスで機嫌悪い』って言ったら、『OK、そうだね』って。僕、家で作業してるんで、家が不穏だと、くだらない曲は作れないですよ。みんなムスッとしてる時に、横でポンポコポンなんて曲作れないんで、なるべく家の中は明るくしていたいなと」
古坂がプロデュースする“ピコ太郎”の「PPAP」が赤ちゃんを泣きやませるのに効くというのは有名な話。この歌には「日本音響研究所」が「泣きやむ効果として有効な特徴を有する」とお墨付きを与え、2018年に古坂はイクメンオブザイヤーを受賞している。 「実際に自分の子が『PPAP』で泣きやんだ時は感動しましたよね(笑)。やっべえ、ホントに効くんだ!って。あと、幼児になると有効なのは、『ツンツン星人』です。これは、『♪つん、つくつくつくつん』っていう伊東四朗さんの懐かしの曲を歌いながら、両指でツンツンする。あとは、得意のリズムネタ。子ども用のYouTubeって、すべての動きに効果音がついてるじゃないですか。それを僕、自分でやるんですよ。『かさこそこそこそ』『ぐっ、がっ、びよよよよよーん』とかやると、大ウケです」 芸人のセンスをいかし、楽しみながら育児をする古坂。どうすればコスパよく、時短で子育てができるかにも頭を働かせる。 「バランスボールは無敵ですよ! 赤ちゃんって、抱いてじっとしてるとダメじゃないですか。でもずっとスクワットするのって大変でしょ。それをバランスボールでやるんです。これが、めちゃくちゃいい。うちの子どもたちはこれで寝てくれます。早い時間に子どもたちが寝てくれれば、親も一瞬好きなことができるじゃないですか」 こうしたコツは、“妻サポ”の位置では思いつかない。自分で試してみることで気づきも増え、いいことは妻と共有するのが古坂流だ。 「ベビーモニターも手放せないです。常に赤ちゃんのそばに置き、自分は携帯で見られるようにしておいて、『おぎゃ』って泣いた瞬間に駆けつける。赤ちゃんが妻と一緒にいるとしても、妻が起きる前にあやしにいけばいい」