プロ野球トライアウトを視察した日ハム新庄監督はどこをどう評価して異例の”気になる4人”の具体名を挙げたのか?
また前巨人の山下は2018年に健大高崎高から育成ドラフト1位で巨人に入団し、1年目にファームで打率.332を刻んで首位打者を獲得したホープ。今オフに育成契約を打診されたため、他球団での支配下でのプレーを望み巨人を退団した。 この日は、6打数1安打だったが、スイングは鋭く、凡打の内容もよく、最後の打席では、変則左腕である前西武、小川のストレートを三遊間に流し打った。肩は強くないが、21歳の年齢と打撃センスは魅力だ。 新庄氏は、彼らのどこを見ていたのか? 「結果はどうでもいい」という新庄氏がチェックしていたのは、独特のポイントだった。 野手に関しては、まずは足の回転と肩の強さ。野手の打球に対するスタートのステップ、フライを上げてしまった際にセカンドまで走るタイムなどをチェック。そして打撃については、「いかに早いタイミングを取って見極めてバーンと振れているかというところ」と、タイミングの取り方に注視した。 投手に関しては、「自分があそこの打席に入っている」という感覚で「どうタイミングをずらされるかを見ている」という。つまり”打者・新庄”が攻略できるか、否かで独自判断していた。 そして何より重要視しているのは、野球に取り組む姿勢だ。 高野に注目した理由をこう補足した。 「台湾まで行って修行をしてきて、また戻ってきて、彼も(トライアウト挑戦は)ラストだと思うんですけど、そういう気持ちというのは結構大事にしたいタイプ。しっかりとマウンドからも僕たちに挨拶をしていた。ああいう人間性というのは大事。ああいう姿勢というのはユニホームを脱いだ後でも必ずプラスになると思うし、去年より球のキレも全然良かった」 新庄氏は、日ハム監督への道をこのトライアウトから切り開いた。 「去年僕がトライアウトを受けて、まさかの監督ですよ。だからね、この選手たちにも、来年監督になるチャンスがあるかもしれないんで(笑)。去年は、ここに立っていたのに、何でここに座ってるんだ?不思議だな、人生。と思いましたね」 有言実行の場所がトライアウトだった。 「新庄剛志は野球が本当に好きなんだよというアピールをした。もちろん選手としても狙っていたんですが、どこからか誘いがあった場合は選手兼コーチとして監督というポジションを狙ってやろうとしていた。(でも)すぐ(監督に)なっちゃった(笑)」 今年は選手を勇気づけるために視察にきた。だからこそ「もっとアピールを」の物足りなさもあった。 「もったいない。ベンチでずっと座っていなくて、いろんなポジションで(守ればいい)。野球って、すべて打球が飛んでくるわけじゃないから。ウォーミングアップひとつでも足の回転さえ見せれば”面白い”となるし、キャッチボールでも、外野のライトとセンターでこんなボール投げていたらと思うが、照れ隠しがあるのかな」