プロ野球トライアウトを視察した日ハム新庄監督はどこをどう評価して異例の”気になる4人”の具体名を挙げたのか?
金田は、FA移籍した糸井の人的補償で阪神からオリックスに2016年オフに移籍した右腕。今季は9試合に中継ぎ登板したが防御率4.35の成績に終わり戦力外になった。この日は、先頭の元同僚の荒木を変化球で泳がせ三塁ファウルフライに打ち取り、続く同じく元阪神の藤谷をスライダーでスイングアウト。3人目の今井は四球で歩かせたが、ストレートの最速は147キロをマークした。 新庄氏の目を引いたのは、「リズムの良さと真っすぐのキレ」で、こう鋭い分析をした。 「知らないんですけど、ここにいるってことは、変化球でストライクが取れず、真っすぐで勝負して打たれている投手じゃないかな。それが修正できれば面白いピッチャーになるんじゃないか」 金田の課題は細かいコントロール。新庄氏は、条件付きながら、獲得候補選手としてリストアップした。恩師と慕う故・野村克也氏は、“再生工場“として知られた。 「そこを修正していける自信はありますか?」と聞かれた新庄氏は、「どうだろう。僕じゃないですね、そこは。ピッチングコーチとバッティングコーチですね」と、リアルな返答をした。 野手で名前が挙がった中村も、高野と同様2年連続の挑戦。昨年トライアウトに挑戦した新庄氏は中村をベンチから見ていた。 173センチ、75キロと小柄な左投げ左打ちの外野手で大阪桐蔭高では西武の森と同期だがベンチ外の補欠。天理大に進み、2017年に楽天から育成ドラフト3位で指名されたが、支配下登録を勝ち取れないまま戦力外となり今季はBCリーグの福井でコーチ兼任でプレーして57試合で打率.346の好成績を残している。この日は、6度打席に立って3安打。ゆったりとした構えからタイミングを取り、左腕の前広島・中村の変化球に対応し、前横浜DeNAの飯塚からはストレートをいずれも逆方向へうまく弾き返した。 「中村君は良かったんですが、左バッターで打った後にファーストまで4秒3くらいかかっていた。その点が惜しいかなと思ったんですが、ミート力がもの凄くあって面白い」 新庄氏はしっかりと走力もチェックしていた。