鶏肉を毎日食べるのはヘルシー? 栄養士が解説
どう調理するかも重要
考慮すべきもう一つの重要な要素は、鶏肉の調理方法だ。茹でた鶏胸肉にこだわりがあるわけではない限り、ほとんどの鶏肉が油で調理されるか、パン粉をつけて揚げられるか、最低でもソースやサラダドレッシングが添えられる。これらすべてが、私たちにとってその鶏肉がどれくらいヘルシーかに大きな影響を及ぼす。 フライドチキンを毎日食べないほうがいいことは、おそらくほとんどの人が知っているけれど、コーディングさんはローストまたはグリルした鶏肉の食べ過ぎにも注意が必要だと警告する。このような高温調理法は「たんぱく質を焦がし、終末糖化産物(AGEs)と呼ばれる有害な化合物」の原因となる恐れがあり、AGEsは「酸化ストレスや炎症を引き起こし、糖尿病、がん、アルツハイマー病、心臓病のリスク増加につながる」可能性があるという。 ローストチキンディナーや鶏の串焼きが大好きという人は、このことをぜひ覚えておいて。もちろん、このように調理された鶏肉を絶対に食べてはいけないわけではない。けれど、本当に鶏肉が好きなら、たまに煮込みやゆで鶏にチャレンジするのが賢明かも。 また、鶏肉と一緒に何を食べているかについて考えてみて。過去70年以上にわたり、チキンナゲットの流行によって人々は鶏肉をソースに浸すという食べ方に夢中になった。骨なし皮なしの鶏胸肉を、脂っこくておいしいランチドレッシングや超加工された甘いハニーマスタードソースに浸すと、脂肪分はかなり増えてしまう。
まとめ
鶏肉を毎日食べることは不健康ではないけれど、考慮すべき要素がいくつかある。鶏肉の種類や調理方法によって、その鶏肉がどれだけヘルシーなのかは大きく変わる。 さらに、多様性のある食事の重要性も覚えておくと良さそう。ヤウィッツさんが話す通り、ほかの食品を排除して鶏肉だけを食べることは、「とくに食事のほかの部分で幅広い食品を十分に食べないと栄養不足になる」恐れがあるという。コーディングさんもこの意見に同意する。「私はいつも、多種多様に食べることを勧めています。数種類の食品だけに固執すると、必要な一部の栄養素を摂取できないかもしれません」 この話の教訓とは? 何事もほどほどに楽しむこと。もちろん、たまには揚げた手羽先やバーベキューソースをたっぷり塗ったローストチキンを楽しんでもかまわない。ただし、栄養たっぷりのチキンヌードルスープや茹でた鶏胸肉も織り交ぜて楽しもう。さらに、たまにはポークチョップや焼き魚にチャレンジすることも検討してみて。ほぼ毎晩鶏肉を食べているなら、体が変化を喜ぶかもしれない。
translation : Mutsumi Matsunobu cooperation : Yumi Kawamura photo : Getty Images