長島哲太、レース2は入賞果たせずも目的は完遂「とても良い経験。僕たちの仕事に非常に役に立つ」/第12戦スペイン
10月20日、スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)の第12戦スペインラウンドがヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで開催された。ワイルドカード参戦をした長島哲太(Team HRC)は、スーパーポール・レースは19位、レース2は16位で終えた。 【写真】長島哲太(Team HRC)/2024SBK第12戦スペイン Team HRCのテストライダーも務めている長島は、WorldSBKの最終戦となる第12戦スペインに、マシン開発を目的にワイルドカード参戦をした。実戦としては2022年以来の2年ぶりとなったが、初日から順調にタイムを更新し、土曜日のレース1でも15位で1ポイントを獲得する走りを見せた。 そんな長島は、日曜日のスーパーポール・レースでは、20番グリッドから好スタートを切って18番手に浮上する。2周目にはティト・ラバット(Kawasaki Puccetti Racing)とサム・ロウズ(ELF Marc VDS Racing Team)に先行を許し、20番手に順位を落としてしまう。 しかし前を走るライダーの転倒により再び18番手に順位を上げると、サム・ロウズを追撃。残り2周まで順位を維持していたが、アレッサンドロ・デルビアンコ(GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team)に交わされてしまい、最終的には19位でフィニッシュとなった。 続くレース2では19番手でオープニングラップを終えると、翌周には一時的に順位を下げてしまったが、中盤以降も19番手をキープ。終盤までスーパーポール・レース同様にサム・ロウズを追いかける展開に。すると、終盤にかけてアルバロ・バウティスタ(Aruba.it Racing - Ducati)を始め、転倒者が相次いだ。 残り5周で17番手まで浮上したが、翌周にはフィリップ・エッテル(GMT94 Yamaha)がメインストレートでマシンから白煙を上げていたため、赤旗が掲示。これによりレース成立となり、長島は16位という結果に。日曜日における2レースはポイント獲得に及ばなかったが、週末の3レース全てを完走に繋げ、今後のホンダCBR1000RR-Rの開発に繋がる重要なデータを収集できたことだろう。 自身2度目のWorldSBK参戦となったが、フル参戦ライダーと遜色ない走りを披露した長島。この後は引き続きヘレスで週明けに実施のテストに参加するという。また、テストを終えるとさらに全日本ロードレース選手権の最終戦となる第8戦鈴鹿が待ち構えている。連戦でハードスケジュールとはなるが、世界戦で得た経験を活かして、全日本ロードでもさらなる活躍を見せてくれるのではないだろうか。 ■長島哲太/Team HRC(スーパーポール・レース:19位、レース2:16位) 「スーパーポールレースでは、ほとんどのライダーがQタイヤを履いているなか、僕たちはレース用タイヤでレースに臨むことにしました。レース2に向けて作業を続けたかったからです。最終的には、レギュラーライダーの何名かを抑えて19位でフィニッシュしました」 「レース2では、最初はもっといいレースができると感じていましたが、タイヤが摩耗し始めてからは、その状況をうまくコントロールすることができませんでした。これは僕自身の問題でもありますが、この部分でもマシンを改善する必要があると思います」 「でも、とにかく全体的にはとても良い経験になりました。ホンダ、HRC、そしてチームみんなに感謝しています。ラップタイムやテストだけでは必ずしも理解できないことがいくつかありますし、それを理解する良い機会になりました。WorldSBKのフィールドでのレースは僕たちの仕事に非常に役に立ちますし、これを活用して前進していきます」 [オートスポーツweb 2024年10月21日]