最大の理由は「恐怖」!?ブラックマンデー超えの株価大暴落…まだ終わってない?経済評論家がざっくり解説
ではなぜ今回、それを上回る大暴落が起きたのか。原因のひとつには、金利がある。日銀の植田和男総裁は7月31日の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%程度に引き上げると決め、「引き続き金利を上げていく考え」も示した。またアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長が「インフレ鈍化が予想通り進み、労働市場が現状のままであれば、9月に利下げが検討される可能性がある」と語ったことも背景にある。 そして暴落の引き金とされるのが、アメリカの雇用統計だ。米労働省が発表した最新の雇用統計が、市場予想を大きく下回ったことで株価が下落し、その経済状況が日本にも影響したと考えられる。しかし、経済評論家の佐藤治彦氏は、「今回の暴落要因は、金利と雇用統計だけではない。ズバリ、恐怖だ」と語る。
佐藤氏は「株は安い時に買って、高いときに売ると利益が出る」と基礎知識を紹介。「では、どういうときに安くなるのか。1987年のブラックマンデーで株価は下がったが、当時日本はバブルだったため、すぐ1989年に史上最高値を更新した。そこから日本の株価は下がったまま、30年間続いた歴史がある」。 その過程でも、相場が変わるタイミングは存在した。「2001年には米国同時多発テロが起き、その頃にはITバブルもあった。2008年にはリーマンショックで、アメリカの金融システムへの不信が世界中で起きた。2011年の東日本大震災や、2020年のコロナショックでも下がったが、いずれもその後は上がっている」とした。
2024年に入ってからの日経平均株価の値動きを紹介する。「1月に新NISAが始まり、株価は3万3000円台から、3月には3万9000円台と、2割も上がった。しかし売らないうちに下がり、7月から外国人が日本株を買い始めると、再び上がり、史上最高値を更新した」。ニュースでは8月5日の「4451円安」が注目されるが、「7月の最高値からは1万円下落している」。その理由として、最高値を記録したあたりから「7月末には植田総裁が金利を上げるのではないか」との臆測が出ていたと説明する。 なぜ金利が株価に影響するのか。金利が高ければ「銀行に預けておけばいい」となるが、預けても利子が付かないとなれば、「株に投資して利益を出そう」と考える。「金利が下がると、株を買う人が増えて、株価も上がるのが原則だ」とした。