ノーベル化学賞の吉野彰氏が会見(全文2)まだまだ謎だらけでわくわくする
2019年のノーベル化学賞を受賞した旭化成の吉野彰・名誉フェローが9日夜、都内で記者会見し、喜びを語った。 【高画質】ノーベル化学賞の旭化成・吉野彰氏「リチウムイオン電池が受賞してうれしい」 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「ノーベル化学賞の旭化成・吉野彰氏「リチウムイオン電池が受賞してうれしい」(2019年10月9日)」に対応しております。 ◇ ◇
今回の受賞はどういうステージか
ニッポン放送:現在の受賞はあえて「ダーウィンの海」とかそういうので表現をするとしたら、どういうステージになるんでしょう。 吉野:正直、私自身が非常に幸せだと思っておりますのは、リチウムイオン電池というのは先ほど申しましたIT革命というとんでもない大きな変革と共に生まれて、生まれ育ってきたんですよね。ですから先ほど言いました、「ダーウィンの海」も乗り越えることを経験してきました。ちょうど先ほども、環境問題のご質問あったかと思うんですが、2回目の経験なんですね。リチウムイオン電池にとりましてね。これは1つは電気自動車への応用とか、今までと違う【amplification 00:25:40】が出てきて、なおかつそれは環境問題に対して1つのソリューションを提供するんですよと。 おそらく今どの辺にいるかといいますと、「死の谷」辺りをうろうろしていると思います。それを乗り越えたら次、「ダーウィンの海」があるんですけどね。そういった意味で、当然苦労はあるんですけども、リチウムイオン電池が次の「ダーウィンの海」、もうまさに環境問題に対して適切なソリューションを提供できるかどうか。これが2つ目のダーウィンの海で、これはたぶん乗り越えると思います。 ニッポン放送:ありがとうございます。 司会:そうしましたら一番早かった、一番その列の後ろの、一番後ろの端の方。
関西で培ったものが受賞につながったか?
毎日放送:先生、こちらでございます。こちらです。すみません、大阪の毎日放送の三澤と申します。 吉野:ありがとうございます。 毎日新聞:先生、大阪の吹田ご出身で。 吉野:イエス。はい(笑)。 毎日新聞:京都大学に行って、阪大も出られていますが、今回の受賞に当たって、何か関西で培われたものが結実したというようなことがあれば教えていただきたいなというふうに思っています。 吉野:そうですか。別に私は関西、大阪生まれで京都大学出身です。マスターを出ていますので、24歳まではもう根っからの関西人でございました。その後、旭化成に入社してずっと関東地区なんですね。ですから今では関東のほうが長くなっております。関西地区のって言われましても、やっぱり大学の雰囲気っていうんでしょうかね。京都大学っていうのは、最初にノーベル化学賞受賞されました福井謙一先生、私は福井先生の孫弟子に当たります。 そういった意味でやっぱりそういう、関西独特の風土を持って、それが、ちょっとおこがましい言い方ですけど、継承されて、福井先生の立てられたフロンティア電子理論というセオリーがもう実はリチウムイオン電池に非常に入っております。その次の段階で、2000年のノーベル化学賞受賞された白川先生、これはポリアセチレンっていう電気が流れるプラスチックを発見されたんですよね。これはもうまさに現代のリチウムイオン電池の負極の一歩手前なんですね。ですから、そういった意味でいわゆるアカデミックっていう観点からしましても、やっぱり伝統を継承していくという、その辺が関西のいいところじゃないのかなと思っております。 毎日新聞:関西局としては非常にうれしく思っております。ありがとうございました。 吉野:ありがとうございました。 司会:それではほかにご質問ある方。じゃあ今度こちらのほうに。前からじゃあ。