ノーベル化学賞の吉野彰氏が会見(全文2)まだまだ謎だらけでわくわくする
旭化成社員にどういう声を掛けたいか
テレビ朝日:分かりました。もう1点なんですけれども、ここの会場に私、いまして、発表の瞬間、ものすごい社員の方から拍手と歓声と、あと、涙が出たっておっしゃられた社員の方もいらっしゃったんですね。で、中にはリチウムイオン電池はまだまだ貢献できるから、われわれがつないでいかなきゃいけないとおっしゃった社員さんがいらっしゃいました。そういう社員の方々に今、声を、あらためてですけど、どういう声を掛けたいですか。 吉野:ぜひ、私がノーベル化学賞を受賞したということで、旭化成の社員の方々、非常に誇りに思っていただけるのは非常にうれしいと思います。 それから、これまで幾つか賞をいただいておりまして、そういったたびに、もちろん従業員、社員の方々からお祝いの言葉をもちろんいただくわけなんですけど、やはり家族の、子供、旭化成の社員の方のお子さんがニュースを見たりなんだかんだして、非常にうれしく思ってますっていうようなコメントもよくいただきますんで、それも非常に私にとっては非常にありがたい話かなと思います。 テレビ朝日:ありがとうございました。 司会:ありがとうございます。そうしましたら、真ん中の【カタヤマ 00:37:12】さんから、左、はい、女性にお願いします。吉野さんの真正面の方です。
現在の企業に期待することは?
毎日新聞:毎日新聞の【ナガヤマ 00:37:23】と申します。おめでとうございます。 吉野:ありがとうございます。 毎日新聞:先ほど、大学の研究環境についての質問とお答えがあったんですけれども、企業の研究開発力というものも非常に今回の受賞に当たって大きなポイントだったと思うのですが、吉野先生の時代はおそらく基礎研究がかなりおおらかに、企業の中でも行われていた時代かと思うんですが、現在の企業の研究開発力、そして現在の企業に期待することというのがもしあれば教えてください。 吉野:よく言われるんですけど、企業の研究が、あまり研究開発投資してないんじゃないのかということをよく言われるかと思うんですが、特に基礎研究につきましては、せいぜい1つのテーマ、1人か2人ぐらいの、そんなにお金の掛かる話ではないんですよね。それはどの企業も当然やっていると思います。 で、一番、以前と違ってきてますのは、いわゆる商品開発のスピードが昔に比べますとはるかに速くなってきています。ですから、そこのところのスピード感を、どうやってスピードを持ってやっていくか、そこのところになんかひと工夫したほうがいいのではないのかなとは思ってます。 司会:そうしましたら、真ん中の、どちらが行ってくれるかな、カタヤマさん、行ってもらっていい? 今、手を上げていらっしゃる男性の方。はい、そちらの方。