ノーベル化学賞の吉野彰氏が会見(全文2)まだまだ謎だらけでわくわくする
科学好きの子供たちに一言メッセージを
朝日小学生新聞:朝日小学生新聞の【テラムラ 00:33:19】と申します。受賞、おめでとうございます。 吉野:ありがとうございます。 朝日小学生新聞:今回の受賞によって、科学好きの子供たちが、すごく夢を与えていただいたと思うんですね。そうした子供たちに一言、メッセージをいただけたらと思っております。 吉野:私自身もそうなんですけどもね、やっぱり子供のころに誰かにきっかけを与えられて、自分の将来の道を決めていくような、そういう時期っていうのは必ず来るかと思うんですよね。私の場合、たぶん、小学校の3年生か4年生ぐらいだったと思ってます。そういうことも含めて子供たちが、別に私っていうわけじゃないんですけど、この間、全英オープンで渋野さんが優勝されましたよね。で、この間、アイルランドに勝ちましたよね。なんでもいいんです。なんかそういう明るい話題で日本が大騒ぎするような、そういうことが子供にとって、何か自分の将来を決める1つのきっかけにしてもらえればいいなと思います。 司会:そうしましたら、一度こちらのほうにマイクを渡しますね。一番前の白いシャツの方。
どうしてそこまで謙虚なのか
テレビ朝日:テレビ朝日の【ニシダ 00:34:37】と申します。 吉野:はい、ありがとうございます。 テレビ朝日:本日はおめでとうございます。 吉野:ありがとうございます。 テレビ朝日:私も去年、こちらの会場に来まして、そのときは残念ながら受賞にならなかったと思うんですけれども、毎年、先生が受賞の発表があったあとに、こちら、メディアのほうに来ていただいて、来ていただきありがとうございました、また来年、頑張りますとおっしゃられたのをすごく心に残っていて、すごい、ノーベル賞受賞が期待されるような研究者の方が、どうしてそのように謙虚でいらっしゃるのかっていうのを教えていただきたいんですけど。 吉野:え、え?(笑)。いやいや、別に謙虚っていうわけじゃ。うーん、謙虚っていうかな。 私の好きな座右の銘がございまして、これは「実るほど頭を垂れる稲穂かな」というやつなんです。ですから、たぶん、それなりの年になってますんでね。別にへりくだるわけではないんですが、こうべは垂れるようにしております。それが謙虚さではないのかなと思います。