9都道府県で宣言解除へ 菅首相が会見(全文2)ワクチン接種は1日100万回超のペースで増加中
日本でマスクを外して暮らせるめどは
テレビ東京:テレビ東京、篠原です。総理と尾身先生にお伺いいたします。総理は先日の党首討論で、11月までには希望する人、全てのワクチン接種を完了させるとのめどを示されましたが、この時点で集団免疫は獲得できるという認識でしょうか。また、諸外国ではマスクを取り始めたような生活というのが報道され始めていますが、日本でマスクを外して暮らせるめどというのをどのようにお考えでしょうか。総理と尾身先生、それぞれお願いいたします。 菅:まず私からでありますけれども、今回のワクチンについては発症予防や重症化予防の効果が期待されており、まさに感染対策の、これ、切り札だと言っても間違い、言い過ぎではないと思います。一方でワクチンの感染予防効果については、現時点で明らかになっていないものの、前向きな評価や調査研究があるというふうに承知をしています。 そういう中で、ワクチン接種に今、政府は総力を挙げて取り組んでいるところであり、先ほど申し上げましたけれども、直近1週間、7日間で730万回、1日に直せば100万回を超えることが平均で増えているということも事実です。さらにきのうまで2700万回を超えております。ですから1日、今の状況ですと100万を超えていく。そして21日から、また職場や大学等で職域接種、皆さんの会社でも始まるところが多いと思いますけども、そうしたものが始まります。現在、申込みは3123カ所です。さらに累計で1280万人の方に打ちたい、そういう申し込みが来ております。ですから、来週21日から本格的にこれは開催をされます。今後、若い方も含めて希望のある方には、そういう意味で接種が続くというふうに思います。
小さなクラスターは時々起きる可能性がある
ですから例えば7月でも、1日、1週間で、100万回は今、超えていますから、それがこうした新しい職域が始まるとさらに変わってきて、集団免疫というのは、まず尾身先生に聞いて、専門家の先生はあまり申し上げてないんですけれども、そうした体制にはどんどんと近づいていくと、こういうふうに思っています。先生どうぞ。 尾身:ご質問は集団免疫についてですけど、実は集団免疫というのはいったいどういう状況かというと、これはわれわれ専門家が考えていることを少し翻訳をすると、こんなことではないかと思います。 1つは、自然に感染した人がいますよね。これは欧米なんかでは、ワクチンを接種した人と同様、かなりの数は自然にもう感染をした人、その上にワクチンを打った人といるわけですよね。従ってこの自然に感染した人とワクチンを打った人、どちらかで免疫を獲得した人が、その地域の中で、これ何パーセントということはなかなか各国の状況によっても違うからはっきりは言えませんけど、かなりという言い方しかできませんけど、そういう人がなんらかの形で免疫を獲得し、その結果、特にマスクをしたり注意をしなくても普段の生活ができるような状況を集団免疫というふうに、われわれは、一般的な言葉でいうとそういうことになると思います。 そういう中で10月、11月、今かなり政府・自治体の努力のおかげで、かなりのワクチンの接種率が上がっていますよね。そういう中で多くの人が、どれだけワクチンの接種をするかは分かりませんけど、そうすると、先ほど私が申し上げたように、たぶん3つのことが起こると思います。感染しても重症化が前よりも少なくなるということと、それから、もう先ほども、人々の安心感というものがある。それから、あるクラスターなんかが起きても、前よりも感染の防御がしやすくなるということがあると思います。 しかし、だからといって一方、そうなると、日本の10月、11月、かなりいったとしても、それで小さなクラスターが起きないかというと、たぶんそうではなくて、小さなクラスターは時々起きる可能性がある。それはなぜかというと、若い人、特に若い人がおそらく、高齢者ほどワクチンを接種するということは、たぶん、たくさんの人が打ってもらいたいと私は個人的には思いますけど、たぶん高齢者ほど接種率は上がらないということがあると思いますし、そもそもワクチンは非常に優れたワクチンですけど100%、そういう意味では時々、あるいは、そういう意味では、もう感染が完全に下火になってコントロールできるというのは、まだ私は早いと思います。 【書き起こし】9都道府県で宣言解除へ 菅首相が会見 全文3に続く