占星術研究家・鏡リュウジが2025年の運気を占う…理想と現実に悩む人”必見”「激動の年になる」
理想と現実の間で社会が揺れ動く
まずは、すでに説明した冥王星。冥王星が留まる水瓶座は知性の他に「テクノロジー」と「革命」を司ります。'23年に一時的に水瓶座に入った際には、ChatGPTをはじめとする生成AIが本格的に普及し、業務の効率化が進むとともに、様々な仕事が機械に代替され始め、世の中が不安で覆われました。 '25年には、AIテクノロジーの発展がさらに加速し、人間と機械・人工知能の境界があいまいになっていくでしょう。また、遺伝子工学の進歩により、人間の本質そのものを変容させる技術が登場すると言われています。 また、水瓶座は「風の星座」の一つであり、「風の時代」を象徴する重要な要素となります。この時代は、情報や自由といった目に見えない価値の重要性が増す時代です。体験や知識が、これまで以上に必要になってくるでしょう。 注目すべき2つ目の星の動きは木星です。木星は射手座の支配星(12星座を守る役割を持った星のこと)で「拡散・成長」を司り、幸運をもたらす星としても知られています。1年で一つの星座を移動する木星は、現在、双子座に位置しています。双子座は「近隣関係やコミュニケーション」を象徴する星座。今年、日本では「界隈」という言葉が流行語に選ばれましたが、これは英語の「neighbor(近所)」に相当し、まさに双子座が示す概念と重なります。グローバル化が進み、外に目が向きがちな中で、「ローカルなつながり」に注目する時期が訪れているのではないでしょうか。 最後に注目したいのは、'24年には見られなかった重要な天体現象で、土星と海王星の接近です。この現象は36年に一度起こり、'25年から'26年にかけて最接近を迎えます。 占星術の伝統的な解釈によると、この接近は政治体制の改革と深い関連を持つとされています。土星は「現実」を、海王星は「理想や夢」を象徴する惑星です。理想的な社会を、土星の力によって現実化しようとする動きが現れるでしょう。前回の土星と海王星の接近は'80年代後半に起こり、ベルリンの壁崩壊やソビエト連邦の解体といった歴史的な出来事と重なりました。'25年にも、新しい社会の理想像を追求する人々が現れるのではないでしょうか。 より詳しく見ると、土星と海王星は牡羊座の頭上で接近します。牡羊座は「リーダーシップと新たな始まり」を象徴する星座です。これは、指導者たちが次世代の社会ビジョンを提示することを示唆しています。国家レベルの政治的動向に注目が集まるでしょう。 しかし、歴史的に見ると、土星と海王星の接近による「理想を現実化する動き」は往々にして失敗に終わり、社会に大きな失望をもたらしてきました。次世代のビジョンに共感できる人々がいる一方で、ついていけなくなる人々も多数生まれ、両者の間に分断が生じる可能性もあります。私たちはこの状況にどう向き合うべきか、慎重に考える必要があるのではないでしょうか。 後編記事「占星術研究家・鏡リュウジが「12星座別の運気」を徹底解説!…幸せに過ごすための生き方」へ続く。 「週刊現代」2024年12月28・2025年1月4日号より
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