日本人が「知ってはいけない」、日本とアメリカの「本当の関係」…日本の戦後史最大の「謎と闇」
解説 「6・30メモ」
ダレスはこの報告書(1950年6月30日にアチソン国務長官など8人へ送付)のなかで、6月下旬に行われたマッカーサーとの2度の会談〔6月22日と26日〕を振り返るかたちで、次のように述べています。(以下、概要) 〈6月22日の朝、私はマッカーサー元帥と会談し、次のことを述べた。 日本と平和条約を結んだあと、米軍がどのようにして日本に駐留を続けるかという問題については、それが単にアメリカの利害にもとづくものではなく、「国際社会全体の平和と安全」という枠組みのなかで行われることが望ましい。だから米軍基地の提供も、国連憲章43条のなかの「軍事上の便益の提供」というコンセプトにもとづいて行われた方がいい。そういって、私は次のメモをマッカーサー元帥に渡した。 「本来の国際法の流れでは、 1.日本が平和条約を結ぶ。 2.日本が国連に参加する。 3.そしてそのとき国連が完全に機能していれば、国連憲章43条がさだめるとおり、日本は国連安保理と「特別協定」を結んで、軍事上の「便益」を安保理に提供することが可能になります。 4.ところが現在、43条でさだめられた「特別協定」は実現しておりません。その場合、わが国をふくむ安保理常任理事国・五ヵ国には、国連憲章106条によって、「特別協定が効力を生じる〔=国連軍ができる〕までのあいだ」に限り、「国際平和と安全のために必要な行動」を「国連に代わってとる」ことが認められております。 そこで提案なのですが、日本は自国の国連加盟が実現し、加えて国連憲章43条の効力が発生する〔=国連軍ができる〕までのあいだ、ポツダム宣言署名国〔=連合国〕を代表するアメリカとのあいだに、「特別協定」に相当する協定〔=旧安保条約〕を結び、アメリカに軍事基地を提供する。国連軍構想が実際に動きだせば、それらの基地は国連軍の基地となる。 そういう考え方でいかがでしょうか」 マッカーサー元帥はそのときと次の会談〔6月26日〕のとき、その考えに全面的に賛同され、「これなら日本人も受け入れやすいだろう」と述べられた〉 (原文:https://history.state.gov/historicaldocuments/frus1950v06/pg_1229)