【初心者向けメンテ】不安を感じたら即チェック!バッテリーメンテの基本
普段その働きに気が付かないけれど大事な働きをしているのが電気。バイクはガス欠したら止まってしまうのは当然ですが、電気が切れても止まっていまいます。バイクは常に発電しながら走りますが、エンジンを掛ける前に発電はできず、また信号待ち等、アイドリング時は十分な量発電できていないので、そういったときに使う電気はバッテリーから供給されます。そのバッテリーは扱い方によっては状態が悪くなり、また寿命もあります。状態をチェックし早めに対処すれば寿命を伸ばしたりトラブルを避けられるので、ぜひメンテの方法を身に付けよう。 【画像】バッテリーメンテの基本をギャラリーで見る(26枚) 文/Webikeプラス 佐久間則夫
必要な道具
────────── マルチテスター(サーキットテスター) ────────── 電気部品を扱うときの必須品で、目に見えない電気を数字として見えるものにしてくれます。バッテリーのメンテでは電圧を測るのに使います。計測するのは直流電圧で、まずどんなテスターにも付いているので間違えてしまうことはないでしょう。 ────────── 充電器 ────────── 放電したバッテリーを充電するためのものです。対応する電圧、バッテリー形式があるので、愛車に付いているバッテリーに合ったものを用意しましょう。
バッテリーの種類
バイクに使われているバッテリーは大きく分けて鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーがあります。主流なのは鉛バッテリーで、鉛製の電極板と電解液(希硫酸)で構成される歴史が長い形式で、現在も多く使われます。鉛バッテリーには種類があり、旧車でよく見られる開放式および現在主流のメンテナンスフリー(MF)バッテリーとも呼ばれるVRLA(充電弁)式でメンテの方法が異なります。 MFバッテリーはより繊細な充電電圧制御が必要です。開放型バッテリー世代のバイクはその制御性能が低く(古い機種だと電圧制御そのものをバッテリーに丸投げしているものもあります)、MFバッテリーを取り付けると爆発の危険性があるので、絶対使ってはいけません。 リチウムイオンバッテリーは電極にリン酸鉄リチウム正極活物質を使ったもので、鉛バッテリーよりエネルギー密度は3倍で重量も軽く自己放電が低いバッテリーです。歴史は浅くアフターマーケットでの展開が主ですが一部車種では純正で使われています。これも充電には繊細な制御が必要で古い設計の車種には使えません。また充電する際は、専用の充電器が必要になります。 バッテリーには定格電圧があり、近年の車両は12Vで古い車両だと6Vもありますが、バイク用としては開放型鉛バッテリーしかありません。バッテリーには他にも形状やサイズといった様々な規格があるので、交換時はそれをしっかり確認し新車搭載時と同じ規格のものを選びましょう。