【初心者向けメンテ】不安を感じたら即チェック!バッテリーメンテの基本
普段のメンテナンス
バッテリーのことを考えるなら、普段から負担をかけないことが第一です。エンジンを掛けないままライトが点いた状態にする、多くの電気を消費するアクセサリーを使わないことがそれに当てはまります。大量の電気を放電、そこからの充電を繰り返すとバッテリーの寿命を短くしてしまうからです。 適切な使い方をしていても開放式鉛バッテリーはメンテが必要です。開放式は充電の過程でバッテリー液中の水の蒸発と電気分解によりガスが放出されバッテリー液が減るので(特に気温が高い時)、定期的に点検し液面がバッテリー側面にある下限の線より下にあった場合、上限線まで補充します。 バッテリー液が少ない状態で乗り続けると寿命を縮めるだけでなく、爆発の可能性もあります!通常であれば頻繁な補充は不要ですが、バッテリー液が短期間で減る場合、充電電圧を制御するレギュレーターの故障が疑われます。 MFバッテリーは特殊構造によりガスを吸収するためバッテリー液が減ることがなく補充は不要です。 ただ開放式を含め、長期間乗らないとバッテリーは自然放電してしまうので、冬の期間数カ月は乗らないといった場合、それを避けるためバッテリーのマイナス端子から配線を外しておきましょう。
バッテリーの点検
セルモーターの回りが遅い、アイドリング状態でライトが暗い、ウインカーが光るけれど点滅しないといったことがある場合や長期間乗らなかった時はバッテリーが放電してしまっている可能性があるので、バッテリーの電圧を測って必要に応じて充電します。バッテリーの充電状態は電圧で判断できるためです。点検の手順は以下の通りとなります。 ■1 シートを外すなどしてバッテリー端子が見える状態にする 車種により手順が異なるので取扱説明書を確認します。 ■2 プラス端子のカバーを外す バッテリーのプラス端子にはショートを避けるため通常赤いカバーが付いているので、それを外して端子を露出させます。 ■3 メインスイッチをOFFにした状態でマルチテスターを使ってバッテリー電圧を測る マルチテスターを扱ったことがない人はピンとこないかもしれません。マルチテスターは電圧、電流、抵抗等が測れるので、直流電圧(DCV)モードにします。そのモードもテスターによっては測定レンジの設定があります。バッテリーの電圧は0.1V単位で判断する必要があり、何百Vといった高い電圧が測れるレンジだとそれが分かりにくいので、12V以上を測れるもので一番小さなレンジにします(今回使ったテスターでは最大20Vのレンジを使っています)。レンジを設定したら、赤いテストペンをバッテリーのプラス端子に、黒いテストペンをマイナス端子に当てると、バッテリー電圧を測ることができます。 バイクや乗用車のバッテリーは12Vと言われますが(旧車では6Vもあります)、実際バッテリー電圧が12Vだと低すぎで、一般的に12.8Vが正常とされます。12V台前半なら充電器を使って補充電しましょう。 この時、同時に充電電圧の測定をしておくことをおすすめします。やり方としてはバッテリー電圧測定と同じですが、メインスイッチOFF=エンジン停止状態ではなくエンジンをかけて行います。正常であればテスターは13.5~15V程度を示すはずです(車種により適正値は異なります)。これが低いとバッテリーへの適正な充電ができず、すぐバッテリーが上がる症状が出ます。高すぎるとバッテリー破損の原因になるので、まずバイクの充電装置の修理を検討しましょう。 点検時、バッテリー端子に白い粉が付いていたらお湯で洗い流します。この粉は寿命のサインであることもあるので、使用期間が長いなら交換を考えるのも手です。また腐食が見られたら真鍮ブラシで取り除いておきましょう。